先日、ファン投票で選出されたという「FIGHTERS LEGEND BESTNINE」に異議あり!?
ファイターズのファンでなくとも知るような、人気有名選手がズラリ。人気先行なら概ね納得だけれども、そこに「実力」も加えるのであれば、外野部門に近藤健介は絶対に入れたい。2020年にマークした打率.340。これは北海道移転後では2004年の小笠原道大(.345)に次ぐハイアベレージ。他にも3割2分台が2シーズンもある。近年は日本代表にも名を連ねている、リーグでも屈指のバットマンだ。
近藤を入れるのなら新庄、稲葉、糸井のうち誰かを外さなければならない究極。この3外野手は私個人もファンだし、できれば皆残したい‥。となれば、ファイターズ晩年では守る機会も多かった一塁に、稲葉篤紀を回す。よって中田翔が浮く形となるが、退団の経緯が経緯だっただけに、ここは潔く身を引いてもらおう(苦笑)
あと、強いていうなら抑え。自分ならマイケル中村を推す。たしかに武田久は実働年数も長い点でファンの記憶に留まりやすいが、正直、彼が出始めたころ、中継ぎをしていた1、2年目がもっとも安心感があった。
マイケルが抑えを務めていたのは3年と短い期間ながら、失敗数が少なかった。その期間166試合に投げて4敗しか喫していない。防御率もすべての年で2点台前半と安定。何より連覇達成時の守護神であり、ゲームを締めた際の派手なガッツポーズも絵になった。奪三振率の高さを踏まえても、いちばん「らしかった」のは彼ではなかったかと。
3人の監督に重宝された武田久。上司ウケもよかった?
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レジェンド戦士にも選ばれた現役の投手、宮西尚生。今シーズンは春先から不調。昨年まで担ってきた勝ちゲームで投げる役目は、同じ左腕の堀瑞輝に譲るような形となった。
そんな塩梅だから、プロ入りから続けてきた「連続年50試合以上登板」が、さすがに今年は難しいと感じていたら、17日時点で気づけば、もう48試合‥。「14年連続」が濃厚である。これこそが現役中の身でありながら大衆から「レジェンド」扱いされる最大の所以か。
後半戦が始まってから約2カ月の期間で24試合に登板し、7ホールドを記録。この間の防御率は1.69で、全体でも3点台にまで回復してきている。我々のよく知る宮西が秋になって戻ってきた。
17日に行われた「引退セレモニー」をフル視聴。とりあえず概要だけ知らせておくと、こういった感じ.......
- 花束贈呈(オリックス中嶋監督、同僚ら)
- これまでの歩みをVTRで振り返る(関野浩之ナレーション付き)
- ビデオメッセージ(栗山英樹→梨田昌孝→王貞治)
- ご本人あいさつ
- 場内一周(オーロラビジョンに、二軍選手の「勇気100%」を大合唱映像)
ドラフト会議で聴いたばかりの関野の美声がまた聴けるとは(笑)。もがき苦しんだプロ野球人生後半の様もきちんと描かれ、まるでミニドキュメンタリー映画でも観ているかのような出来栄え。
ビデオメッセージは、現役中の選手あるいは学生時代から所縁のある人物から寄せられたりするのかと予想していたら意外に少数精鋭。だが、その中身は濃くて、時間は測っていなかったけれど、とりわけ王会長は5分近くお話されていた気がする。斎藤をあまり知らない若手選手も、さすがにこれにはビビったのではないか。世界の本塁打王に5分も話させる男って、どんだけ? みたいな(笑)
挨拶は、誠に淀みない口調。「斎藤節」は今なお健在な様子。今まで何人ものこの手なスピーチを観てきたが、話し方の上手さではトップクラス。これならウワサもあがっているテレビの世界で十分にやっていける?
二軍選手の合唱でようやくホッコリ。最初のパートを清宮幸太郎が担当していた際には、場内からは笑いも起きる。さて笑いの種類が何だったのかは分からんが。吉田輝星の全力校歌よろしく「全力勇気100%」、これはネタ的にも最高だった! 機会があれば是非ご覧になってほしい。
肝心のゲームは、1点差に迫られた7回。先頭打者の福田周平と対峙するという、かなりタフな局面での登板。‥こんなに緊迫した引退試合も、わりと珍しい。結果、福田には四球を与えてしまうも後を継いだ堀がランナーを還さず、けっきょく斎藤には失点が記録されなかった。「有終の美」でもないが、最後の最後まで痛い思いをせずに済んだのはよかった。
『また逢いましょう』最後にそう締めた。今度逢うとき、彼は背広姿なのかユニフォームを着ているのか、今はまだ見当もつかない。どちらにせよ、New斎藤佑樹に逢える日を楽しみに待ちたい。