新庄ビックボスの監督就任前後、SNSでの「匂わせ投稿」が静かに注目を集めていた.......
いつのまにかツイッターの壁画画面が現在建設中の新球場になっていたり、おおいにその「予感」を感じさせるものだった。最近、これ以上に北海道日本ハム入りを匂わせ投稿‥いや匂わせ発言をしていたのが、福岡ソフトバンクを戦力外となった川島慶三。今後の身の振り方について振られた、とある九州地区の番組で含みを持たせていた。
表情から窺うに「ネタ」の可能性も考えられるけれど、その気にさせられてしまったのは、むしろコッチの方。今シーズン、控え野手の手薄さが顕著に現れた。
‥どうだろう、「代打の切り札」と言われてパッと思い浮かぶ選手が今、北海道日本ハムの選手にいるだろうか。川島と同じ右打ちの野手となれば松本剛、木村文紀、杉谷拳士(両打ち)といったあたりだが、どちらかといえば彼らは打撃をメインにしている選手ではない。
ここぞの場面で登場する、もう打つ方だけに期待を寄せても良い選手が、チームにひとりくらい居ても良い気はするのだが。‥上原(健太)キラーでも名を馳せた?川島が今季、右投手相手に計42打数13安打、.310のハイアベレージを記録している。
在籍わずか2年でハムからヤクルトにトレード出されたときは驚いた。今度は15年ぶりとなる「電撃復帰」で世間を驚かせるのか。ホークスファンならずとも、川島の動向から目が離せない。
◇ハリーの功罪
この前読んだ「週刊ベースボール」内(※1)、張本勲の連載に衝撃を受けた――
ハリーによれば1973年のオフに、日拓ホーム(現北海道日本ハム)の大杉勝男と阪神の江夏豊の交換トレードが『ほとんど決まりかけていた』というのだ。けっきょくこのトレードは破談となったわけだが、これにはハリーが絡んでいた。
記事を要約すると、どうしても関東に留まりたかった大杉がチームの先輩で慕ってもいたハリーに泣きつき、ハリー自ら当時の土橋監督に直談判。トレードを止めさせたとか......
トレード拒否は宗教上での理由と張本氏
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そんなことをシレっと書いていた。だが、これは古参プロ野球ファンにとっては「一大事」である。
もし、間にハリーが入らなければ、7年も前に江夏は日ハム入りしていた‥。ということは、南海・野村克也監督との出会いも生まれず、ストッパーに転向していなかったかも分からない。すなわちそれは伝説の「江夏の21球」が歴史上からなかったことにもなる。
大杉側の目線になって立てば、結果的に選手寿命を伸ばしたヤクルト入りもなかっただろう。そうなれば1978年日本シリーズ「疑惑のホームラン」、上田利治監督の猛抗議もなかった。
つまりは、ハリーが吹かせた先輩風が、とんでもなく日本プロ野球の歴史を変えたことを意味するのだ。
一方でまた別の欲求も湧き起こり、「江夏と大杉」この世紀の大トレード見てみたかった気もする。後年ハム入りした際の抑えではなく、バリバリ先発でやっていたのだろうか。‥いろいろ妄想は尽きない。
《参考》
(※1)週刊ベースボール 2021年 11/15号 [雑誌]