いしだ壱成が人生三度目の離婚........
平成中期にかけてドラマに出まくり、ときに話題作の主演も張ったほど人気俳優。彼なら父を超える役者になれると、あのとき誰もが感じていただろう。それが今ではハローワーク通い‥。しかも、応募した何社かに採用を見送られたのだという。
彼の代表作のひとつ【ひとつ屋根の下】。ここで求人情報誌片手に、職探しに奔走する日々がよく描かれていたけれども、まさしく、あの頃に逆戻りだ。
酒井法子と姉弟役を演じ、人気を博した【ひと屋根】ではあるが、彼らの過去の不祥事によって、地上波での再放送は困難だと言われている。
おもえば和也演じる壱成は、姉弟のなかで唯一といっていい「劣等生」の役であった。姉弟たちと同居する前には鑑別所へ送られた経験も持つ、いわく「筋金入りのワル」。このうち男のきょうだいは、長男役に江口洋介、次男の福山雅治、弟が山本耕史である。
彼らに共通していえるのは、そう‥私生活において著名な美人妻がいる点だ。スキャンダラスが報道があれから見られないところをみると(江口に一瞬危うい報道はあったが)、結婚生活もそれなりにうまくいっているのだろう。したがってドラマの中だけでなく、現実社会でも「劣等生」となってしまった壱成が、なにか哀しい。
このドラマがおもしろいのは壱成、法子のような堕落パターンもあれば、俳優として芽が出ず【ひと屋根】でも端役のひとりでしかなかった神崎恵が「美容研究家」として見事に人気をV字回復させている。昨年にはなんと自身24年ぶりのドラマ出演も果たした。
‥すっかり当時と「立場」は逆転してしまったが、壱成もここはひとつ、彼女に頭を下げて仕事の相談をしてみてはどうか。
最後は大路恵美から強烈ビンタをくらう
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◇堂本光一の場合
【ひと屋根】の脚本を担当したのは野島伸司。壱成も一時期「野島ファミリー」だと言われ、モテはやされたことがあった。
しかし、当時の野島作品には過激な作風が多く、私は彼によって人生を惑わされた俳優も相当数いたと考える。たとえばトレンディ俳優として一世を風靡した加勢大周。野島が描いた【人間・失格 たとえばぼくが死んだら】というドラマ(※1)で、それまでの爽やかな印象を覆す陰湿な教師役を演じ、仕事が激減。私生活で苦労した点では、同ドラマでイジメグループの一角だった黒田勇樹も一緒である。
その点、役の影響をほとんど受けなかった堂本光一は「奇跡」といえる。彼が【人間・失格】で演じた影山という男子生徒がどんな役柄であったのか、あらためて以下に記してみたい。
- 友達がいない。唯一の友達はハツカネズミ
- カメラ小僧(写真部に所属)
- 同性愛者
- 実の母親のベッドルームに盗聴器をしかける
- 最終的にはイジメグループに加担。誠(堂本剛)を〇殺に追い込む
堂本光一の先入観を持たず、コレだけを見たら普通にドン引きするレベルではないだろうか(苦笑)
BLは、今でこそ開かれた世界になっているが、あの当時はまだ「禁断」のような扱いであったし、誠を裏切るカタチとなったのも印象最悪。‥ジャニーズという強大な事務所に守られる立場にいなければ、実、彼もけっこう危うかった。
ドラマ自体は悪くなかったけれど、まごうことなき光一にとっての「黒歴史」だ。
《参考》
(※1)人間・失格-たとえばぼくが死んだら- DVD-BOX