懐かしい名前を見た――
いつだったかのスポニチで、球団別「新人最多セーブ」記録が掲載されていた際。日本ハムの球団記録は1993年の山原和敏(かずとし)であった。新人年にいきなりストッパーを任せられるのが稀なケースとはいえ、他球団を見渡すと昨季のセ・リーグ新人王、広島東洋・栗林良吏が37。2015年の横浜DeNA・山崎康晃も37セーブと豪華絢爛であり、そのなかでハムは山原が記録した5セーブとは、いささか寂しい思いもする。
この山原という投手、プロ入り後は翌年ドライチ入団の関根裕之とともに故障に泣かされ続けてきた。当時の監督、大沢啓二がドラフト時『山原を獲れなかったら腹を切る』そんな、いかにも親分らしい発言をしていたのが印象的。
だからよほど思い入れがあったのか、一年目序盤から先発に抑え、ときにはロングリリーフもこなすなどフル稼働だった。‥まァ時代といってしまえばそれまでだけれど、もう少し大事に扱われていたら、5セーブどころでは済まなかったかもしれない。
今季、この記録が大幅に塗り替えられそうだ。ルーキーの北山亘基が12日の埼玉西武戦で初セーブ。「まさかの」開幕投手抜擢で大いに話題を振りまいてくれた北山だが、以降はリリーフに専念して5試合、計6イニングを無失点投球。その間には救援で2つの勝ち星もあげている。チームでの貢献度は、投手では現時点で一番だ。気早承知で昨年、伊藤大海が逃してしまった新人王への期待も高まる。
セーブをあげた試合では中軸打線相手に三者三振締めの圧巻投球。‥こうしたストッパー然とした投球は久しく観ていなかった。これまで、どちらかといえば不安の方が大きかった締めのイニング(苦笑)。北山にはまた別の意味で観衆をドキドキさせてくれそうだ。
◇(秘)秋山翔吾
米大リーグ・レッズを退団した秋山翔吾の行き先が界隈で注目を集めている。
古巣の西武に復帰するとか、福岡ソフトバンクが獲得に乗り出しそうなどといったウワサも。‥日本球界復帰なら、できればセ・リーグ球団の方でお願いしたい(笑)
しかしながら秋山ほどの打者がメジャーで通用しないとは‥。一発長打の魅力も併せ持った、トップバッターとしての資質は彼がイチバンだと、過去に語った憶えがある。
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開幕から2週間以上経っても、未だ打順が流動的なハムにとっては喉から手が出るほど欲しい存在。むろん、渋ちんハムにかぎって手を出すわけがないのも解かってはいるが(笑)、イイ機会だから触れておこう。
3年前、東日本国際大からドラフト7位でハム入りした片岡奨人(しょうと)。彼の打撃フォームが秋山にウリ二つ。‥いや、本当に。ファームで打席をみかけるたびに秋山の幻影を見るほど、似ている。だから片岡にはいつも期待感しか抱けないのだけれど、フォームが似ているからといって当人のようになれるわけでもなく‥ 昨シーズンまで一軍戦は未出場。
王柏融が不調で二軍落ちした今、外野は絶賛活躍中の松本剛は右打ちで、以外の左打者は近藤健介と淺間大基くらいしかいない。今季ここまでファームで2本塁打しているなど(13日現在)、まずまずのスタートを切った片岡にも、十分チャンスはあると見る。「秋山打法」をぜひ他の野球ファン方にも知っていただきたい。