すべてを手に入れた権力者の多くが最後に求めるのは「不老不死」だという........
最終的に行き着くのは、カネでは絶対に買えないもの。その栄華が永久に続けばいいと、あらゆる分野の頂点にまで昇りつめた人物は、たしかに、そう願うのかもしれない。
筆者のように世界の歴史に疎い人間は【ドラゴンボール】に登場する宇宙の帝王・フリーザを真っ先に思い浮かべる(笑)。追随許さぬ圧倒的な戦闘力を持つ彼を以てしても「老い」だけはどうにもならないから、最後はドラゴンボールの力に頼ったのだろう。
さすがに「永遠の命」は無理だとしても、常人には決して真似できぬ長生きした人なら何人か知っていて、ひとりは映画【グリーンマイル】にて、死刑囚のジョン・コーフィから特別な力を授かった刑務官。ここではトム・ハンクスが演じていたが、高齢になっても尚あまりに健康すぎて今後、自分がいつまで生きるのか不安になるほどであった。
自らが望む形でなく長生きしてしまったその刑務官とちがい、明らかに悪意を持って長生きしたのがコイツだ――
case.5 【おばあちゃん】 2001年10月4日放送 主演:柊瑠美
今さら説明するまでもない、世にも史上屈指のブラック作品。一日の約束で孫(柊瑠美)の体を借りといて、結局、体を返さなかったおばあちゃん。祖母役を演じたのが当時61歳の草村礼子だが、劇中の彼女はどうみても80歳より上(笑)
対する孫役の柊は当時13歳。でも、小学生の役だったから仮に10歳としよう。その時点で80歳の祖母が孫の体を借り、作品では30年後、40歳になった孫(演:片平なぎさ)の姿が映し出されていたから、もともとの柊が生きた10歳分を差し引いても、彼女はふたつの肉体で 優に110歳以上を生きたことになる。だいぶ歪曲した形ではあるが、長寿ギネス世界記録更新まちがいなしの請け合い‥w
結果的に病気も全快、若返りまで果たした
画像はイメージ(C)amazon
case.6 【不定期バスの客】 1996年10月2日放送 主演:中居正広
ラストシーンの捉え方によって、また恐怖の度合いが異なってくる。この作品、生きることに悲観した男が運悪く自サツ者志願ツアーのバスを乗っ取ってしまい(バスジャック)、窮地に追い込まれるのだけれど、真の恐怖は最後にあったとみる。
乗っ取ったバスは存在していたのか、否か――
運転手の厚意でバスから降ろしてもらった中居。帰路につく途中、目の前に迫ってくるバスのシーンで物語は幕を閉じたのだが、あのバスはいったい何だったのか。‥さまざまな憶測を呼んだ。
筆者は、それまで中居が乗っていたバスと同じだったのではないかと。けっきょく成仏できなかった彼らの魂がエンドレスに同じツアーを繰り返している‥‥そんなオチ。つまり、中居が接していたツアー客は皆、亡霊だった。これなら終始、乗客の体貌が薄暗かったのも頷ける。
死にきれなかった人たちが延々同じツアーを繰り返している‥‥真の恐怖はここにあったと見るのだが、はたして真相は。
PS.本編が18日放送!後日、感想等をアップします。