オリックスバファローズが26年ぶりの日本一........
「外野」から観ていた1プロ野球ファンとすれば、36年ぶりとなる超レアな「第8戦」を拝んでみたかった気がしなくもない。しかし、当事者(オリックス)側からみたら1戦でも早く日本一を決めて欲しかったはずで‥。そのあたりのジレンマは2016年の日本シリーズ、大谷翔平の第7戦先発が予想されながら6戦で終えてしまったときの、ファイターズファンの心境と似ているだろう(しかも対黒田博樹!)。
大谷といえば、そこかしこで今「Syohei特集」が組まれている。彼がファイターズに在籍していた頃はチームが弱くとも、まいにちが愉しかった。‥今おもえば大谷ばかりに目が行き、そこから弱体化の一途をたどっていくチームの内側に気づきにくかったのだけれど。
来春のWBCでは村上との中軸を組み、マウンドに立つのか
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その大谷以来の本格二刀流か?と囁かれているのが「ドライチ」の矢澤宏太選手。ドラフト前の各スカウトの評価では野手としての評価も高いという。
世界でも通用する二刀流プレーヤーを育てた前例を持つ球団だけに、いやが上にも期待は高まってしまうが、ここはひとつ冷静になりたい。誰もが分かっている、前例の大谷が別次元の選手であるからだ。
プロ入り当初、二刀流に挑戦するにあたってもっとも指摘されていたのは調整の難しさと故障、それから「投打どっちつかず」になる点。‥たとえばある球界OBの話だと、仮にプロで100勝&1000本安打を達成したところで名球会には入れない。どちらかに専念していればその基準に満たすくらいの成績は残すだろうと。むろん、元々メジャー志向の高かった大谷には名球会なんて眼中にもなかっただろうが(苦笑)
しかし、今シーズンの「規定投球回」「規定打席」のW到達で、それがまったく不可能ではないことを自らの手で証明させた‥。
こんな規格外の選手を目指せ、育てろというのもまた酷な話。大谷は、100年に一人現れるかの選手である。
今年の日本シリーズに良いヒントがあった。オリックス・山崎福也の起用法だ。最初からガチガチの二刀流をさせるのではなく、山崎のときのように、投手が打席に立つセ主催の交流戦あるいは日本シリーズで得意の打撃を生かす、そんなスタンスでいいと思う。当面は。
‥なんとも、あまり夢のないコトを語ってしまった。けれども筆者にも言い分はあって大谷に続けとばかりに今季、投打二刀流に挑戦した上原健太を見、その思いを強めた節もある。
一軍で3勝(5敗)をあげるも、鍛錬を積む目的で臨んだ打つ方は、ファームで今季15打数0安打、10三振と散々だった。唯一、ヤクルトとの交流戦で二塁打を放ち面目を保った格好だが、それこそ「どっちつかず」だった感は正直否めない。
これを「失敗例」とまでは言わないも、大谷の別次元さと二刀流が甘くはないという当たり前なことを皮肉にも、上原を通じ、あらためて思い知らされたのである。
実力のほどは来季の楽しみとして、その矢澤選手。‥前々から誰かに似ていると思っていたのだが、シックリきたのはファイターズの石井一成。 似てませんかねw