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【誰や?アンタ監督「虎の血」読了「プロ野球」ここまで言って委員会445】メランコリー親父のやきう日誌 《2024年6月20日版》

以前勤めていた工場に、熱烈なベイスターズファンがいた。

中畑監督時代だったか、思うように勝てない時期が続くなか、休憩中ケータイで試合経過を見守っていたそのオヤジがボソッと。『俺を監督にしてくれたらAクラスに入れる自信がある』

 

気持ちは大いに解かる。が、仮に何か間違いが起こって監督に就任できたとし、プロ野球選手経験皆無の素人監督に、はたしてプライドお化けの選手が付いてくるだろうか。そんな、する必要もない心配なら自分も何度かしたことがあったから(笑)

プロ野球チームを率いるなんて、所詮、ゲームの世界でしか成しえない‥と思っていたら、なんと、あの名門・阪神タイガースに素人監督が就いた歴史があるとか。

もっとも、戦前は早稲田大学で名を馳せていた投手で完全なる野球素人ではないけれども、時代背景もあってプロ野球選手の経験は無いという。

男の名は 岸一郎。謎だらけな彼の球歴を辿った書籍を興味深く拝読した――

 

(C)amazon かなりの二枚目だったそうな

虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督 (WPB eBooks)

 

1955年の監督就任時に、すでに齢60。当時としては相当珍しかったようで選手からも「老人」扱いされていたとか。その経緯がまた特異。球団社長に手紙を送り続け、念願叶って監督の座を射止めたらしい。「素人」には、なかなか夢のあるエピソードだ。

本を読んでいれば、彼がある種の「繋ぎ」というか、利用されていただけに過ぎないことがだんだんと解かってくるのだが、シーズン途中に解任されるまでの成績は16勝17敗と、ほぼ5割。‥令和6年度、埼玉西武松井稼頭央前監督より、よほど立派な成績を残していたのであるが(苦笑)、やはり‥というか、すでにプロ野球界の大スターとして君臨していた藤村富美男(代走指示もそれを塁上で拒否したとか)らと、うまいこと関係を築けなかったのが、監督の座を追われてしまう最大の要因だった。

 

本を読むかぎり、この間、監督らしいことは何ひとつしていない(笑)。解任の早さと、退団の経緯が岸氏をいっそう「謎」に満ちた存在とさせているのは間違いない。本では、いちおう退団後の人生も辿っているが、大半は憶測の域を出ず、その後のタイガースへの愛情は解からない。タイガースを変わらずに愛していたのか‥いや、志半ばでクビにされたタイガースを憎んでさえいたのか‥。相当な「筆まめ」だったとされる、氏が残した日記の消失が惜しまれる。

 

甲子園での最終戦に敗れて、交流戦明けの21日からは、実質の後半戦がスタート。引き分けを挟んで3連敗中のファイターズは優勝戦線に踏みとどまれるか、今が正念場だ。

同期間中、それまでリリーフの「核」的存在とも言えた河野竜生と田中正義の失点シーンが相次ぎ、救援陣に若干の綻びが観られたのは不安材料だが、野手陣では現役ドラフトの星・水谷瞬の爆発と、首位打者も狙える位置の田宮裕涼が引き続き好調をキープしていたのは好材料

昨年と比べ、はるかに厚くなった選手層で何とか優勝争いに加わっていきたい。

 

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