新庄剛志監督のドラフト後に去就を明らかにするって、なんなんだろうね‥。
前代未聞。まぁ慣れっこだけれど(笑)。ドラフト会議の成果いかんで決めるというわけではなく、おそらく、話題づくりの一環であるかと。‥であるならば、続投はほぼ決定的なのではないか。そんなオメデタイ晴れの日に『辞めます』は、破天荒監督とて、さすがにないだろうから。
そのドラフト会議であるが、執筆時点で指名選手の「公表」などはない。一部報道では、大学ナンバーワン遊撃手‥投打二刀流球児‥の1位指名が書きたてられている。
優勝を逃した今季、ましてCSで完敗してしまった直後とあって「即戦力」を希望とする気持ちは強いが、もともと高校卒選手とファイターズは比較的相性がよく、2、3年後に巨大戦力となれるなら、もちろん高校卒選手1位でも構わない。それらも含め、今年ファイターズの指名が予想される3選手について触れてみた。
明大【宗山塁】内野手
こういう、両親の「野球好き」が伝わってくるネーミング嫌いじゃない(笑)。ただ当初、筆者は宗山選手の獲得は否定的だった。言わずもがな『ショートは、水野達稀が育ってんじゃん』と。
いくら守りが巧いといっても、新庄政権発足と同時に鍛錬を積んできた「今」の水野に敵うとは思わない。宗山選手の獲得により、もし水野を他ポジションに追いやるようなことがあれば、それは非常にもったいないことだと感じる。課題とされていた打撃面も、今季は飛躍的に向上した。水野もまだ若く、後継者をつくる段階ではないし、同じ左打ちでタイプ的にも被る。
「不要論」を唱える一方、『10年15年ショートは安泰』それほどまでにマスコミが騒ぎ立てると、一体どれだけの選手なのか‥ 宗山選手をファイターズで観てみたい思いもしてきてしまう。ワシは意志の弱い人間だ(笑)。‥まぁ現代プロ野球は5年も活躍すればメジャーに行ってしまう時代だし、あまり鵜呑みにはしていないけれど。仮に競合覚悟で獲りにいくなら引き当てて、ぜひ明るい話題をファンに提供してほしい。
(C)amazon 抽選で新庄氏の「リベンジ」はあるのか
立正大【飯山志夢】外野手
父が元ファイターズ戦士の飯山裕志氏。2003年生まれの志夢(もとむ)君。2003年というと、裕志が一軍定着を目指し必死にもがいていた頃だ。そんなときに授かって、さぞ父も『息子のために』と躍起になっていたことだろう。‥何やら美しい父子鷹な「ドラマ」が、勝手に目に浮かんできてしまう(笑)
ただ、どうだろう‥‥ドラフトにおいてファイターズはわりと空気を読まないというか、よくいえば「現実主義」なところもあって昨年、開場したばかりのエスコンフィールドでアルバイトをしていた上位候補を指名しなかったでしょ?‥チームを強くするために、そうした「ドラマ」は一切必要ないと考えているのかもしれない。
慶応大【清原正吾】内野手
一個人的に、タレントやら政治家やらの「二世」が大嫌いで、支持する気になれなかった。たしかにそれらの分野で成功を収めるかは二世の能力にもよるが、でも彼らは著名な親のチカラによって一般人より遥かに近道な「デビュー」をすることができるのだから。
例外なく、清原選手も名前ばかりが先行しているが、あら彼は「マスク」がいい(笑)。人気選手になれる要素を兼ね備えている。‥たしかに、本格的に野球を始めたのは大学からと実力は未知数なのだけれど、エスコンフィールドで行われたファイターズ二軍との交流試合でホームランを放ってみせたりと、そのスター性はなるほど、看過もできぬ‥。はたして清原選手のサプライズ指名はあるのか、ファイターズファンならずとも注目だ。
そういえば21日時点で一部の外国人、今季限りで現役引退をした選手以外、ファイターズから選手の自由契約情報などは聴かれない。ドラフト会議の結果を受けての判断となるのか。
しかし、現在は粋のイイ若手が二軍にもゴロゴロ転がっている。無理に大量の選手を指名する必要性もないように感じる。チーム編成に携わっていた西武ライオンズ、以前の根本陸夫管理部長が同じようなことを口にしていた。当該年のドラフト候補生が『今うちにいる二軍選手に勝っていると思えない』として、わずか4選手の指名で打ち切った。
‥いっそ、それもアリだと思う。せっかく育ってきた若手をここで切ってしまうのはあまりにもったいない。