フジテレビといえば、ひとつ屋根の下‥。
わりと好きだったんだよねぇ、平成初期に放映されていた、このホームドラマ。「大家族」を追ったドキュメンタリーみたいのは好きくないけれど、創作なら アリ?
まず、ひとつ屋根の下で暮らす兄妹の人物設定が「犬」のごとく分かりやすいw。劇中には出てこなかったが、おそらく母親の遺伝子を受け継いだのであろう「優等生」タイプの雅也・小梅・文也。父親に似たのだろう、体育だけ得意、昔ながらの「ヤンチャ」タイプ、達也&和也‥。兄妹のなかでは長女の小雪のみ少し異質でノーマル型だったが、後にその理由も判明する。
若い兄妹たちに降りかかる数々の修羅場。それを乗り越えた先に、ドラマを効果的に盛り上げてくれたのが、チューリップが唄う主題歌【サボテンの花】だった。
ある日、貧血で倒れ、心にも深い傷も負った小雪を励まさそうと、自らの「血」を分け与えることで兄妹愛を強調した長男・達也の名ゼリフ 『そこには、おもいっきり愛があるからな』。このタイミングでかかった【サボテンの花】のイントロに、もう大号泣。嗚呼、何の疑問や違和感すらも持たずにただ感動していた、あの頃のウブな私に、戻りたひ.......
達也役の江口洋介と和也役のいしだ壱成が「世にも奇妙な物語」内でも家族をテーマにした作品に出ていたのがおもしろい。
探偵が依頼者に成り変わって一家の「父親」となった、江口主演の【ホーム、スィートホーム】。いしだは、更に顕著な【にぎやかな食卓】という作品。
結論から言うと、こちらは「レンタル家族」のハナシであるのだが、年号が令和となった現代では同様なサービスを施す民間企業が幾つかあると聴く。‥要するに「奇妙」に、時代が追いついた格好なのだが、筆者は、これらのサービスを受ける人がもっと増えてもいいと思う。たとえ、それが「真実の愛」ではないのだとしても、世知辛いこの世の中で、心の平穏が保てるのであれば。
付随して、意外にも「ひと屋根」俳優の福山雅治と山本耕史は、奇妙作品で主演を務めたことがない。できればギャラが高騰する前に(?)恐怖に震えるふたりの演技も観てみたかったものだ。