完全試合をしていなきゃ「ただの」投手 ――
なんて言ったら、メジャーに行っても変わらず声援を送り続ける彼のファンと某目薬の会社に顰蹙を買ってしまいそうだけれど、でも、半分以上は本音。
たしかに、完全試合を一度成し遂げることだけでもそれは凄いことなのだが、実際、以外で特筆すべき事項はあるだろうか。実働4年で二桁勝利が一回‥。2024年終了時点でNPB通算の防御率が2.10。これも昨今、年間防御率1点台を連発する投手群を観ていると、さして驚くべきほどの数値でもない‥。全体を見渡して目立つのは「奪三振率」の高さくらいだ(11.52)。
よく言われるチームを優勝・日本一に導くこともなく、仮にその在籍年数で海を渡る計画が以前からあったのだとすれば、それなら彼の場合、日本球界の「置き土産」ではないが、もっと「完全試合」にフィーチャー、こだわってもよかったのではないか?という、数年来のモヤモヤ。
忘れもしない、完全試合達成後の最初の試合。ファイターズ戦。8回を投げ終えて、またもパーフェクト投球を展開しながら降板。‥まぁ、おかげでファイターズサイドは「命拾い」したのであるが、逆の思考で仮にワシが向こうのファンであったなら、発狂していたことだろう。なぜ、あの場面で降板させたのだ!と。
「2試合連続完全試合」だなんて、世界を見渡しても例がない(アマチュアは知らない)。少なくともそのチャンスが彼にはあった。たとえば9回を投げ終えて120~130球ほどの球数に達していたなら、まだ諦めはつこうも、みすみす「世界初」の快挙をフイにしてしまう脆さよ‥。
もちろん、監督以下首脳陣の指示ではあったのだろうが、あのときの彼と同年齢頃の松坂大輔やダルビッシュ有が同じ状況にいたなら、はたしてどんな振る舞いを見せていただろう。‥おそらく、自らこう続投を志願したのではないか。『次も俺に行かせてかせてください!』
故障のリスクを冒してまで投げることもない‥‥確かにそうだが、後年の彼を観ていると、けっきょくリミッターを解除しないまま、もしくは出来ないまま、日本を離れてしまうような気がしてならない。こんな記事もあった。
「Z世代」特有の大らかさといえば聴こえはいいが、将来のメジャー挑戦に向け「消耗品」といわれる肩の温存‥もし、本当にそうなのだとしたら日本球界もずいぶん舐められたものだ。
当該試合において、パーフェクト阻止にいちばん近いところにいたのは、ライト線へ鋭い打球を放っていた、野村佑希。その強烈な打球を観て、投手の「限界」を相手監督が察したのであれば、数字には現れぬ野村の功績は大きい。最終的にファイターズは試合に勝利したのだから。
(C)amazon ポジションはサードか?レフトか?
同年、ベイスターズの今永昇太にノーヒットノーランをくらった(札幌ドーム初)。出塁は清宮幸太郎の1四球のみだったと記憶しているが、今川優馬のピッチャーライナーと、やはり、ライト線に放った野村のライナーはヒットになっていてもおかしくない、鋭い打球だった。このようにスンでのところで「持っていない」野村が、2025年シーズンは「開幕4番」を務める線が濃厚であるとか。
開幕投手はともかく、開幕4番を明言する監督に出くわしたのは個人的に初めて(笑)。賛否はありそうだが、とにかく最初が肝心だ。昨季も一軍に上がってくるたび、スタメンで起用されるもタコが続いて二軍へ舞い戻るケースが何度か見られた。したがって、今年であれば、その開幕戦でいかにインパクトのある打撃ができるか‥‥。
最初がうまくいけば必然、監督も『4番はこのまま野村君でいこう』と相成るだろう。プロ入り7年目、目の色が変わった野村佑希を そろそろ見たい。
