代打・西川遥輝に歓声。
考えてみたら翌11日に先発投手を担った高梨裕稔もそうだったが、2016年優勝時のメンバーが、ファイターズ以外の各地に散らばっているのはおもしろい。
今はライバルチームに渡っている有原航平に近藤健介、それから中田翔と岡大海‥大谷翔平や陽岱鋼といった、あれから大きく環境を変えた選手もいる。ちなみに陽は現在、イースタンリーグのオイシックス新潟に在籍中。
そんな中、数少ない「生き残り」選手のひとりが、9年経った今もローテーションを担う 加藤貴之。同日はその高梨との投げ合いに勝ち、今季4勝目‥。早くもチーム6人目の完投勝利投手となった。
加藤の場合、完投に加えてもれなく「無四球」の記録も付いてくるのがいい。これで自身通算11回目の完投勝利のうち、8試合までが無四球試合。‥言わずもがな公式記録としては完封同様、完投して初めて達成されるものであり、わりと難易度は高い。先発として7シーズンをハムで戦ったダルビッシュ有が9回。加藤と同じ左腕で、制球面のよさにウリにしていた武田勝も通算9回だ。
今後、加藤がこの記録を延ばしつづける可能性は極めて高いけれども、問題は『完投ができるか?』ということ。今シーズンは勝ち星をあげた試合でも比較的早期のうちにマウンドをリリーフに譲ってしまう傾向が見られ、同日あがったお立ち台で当人も、それを気にしている様子がうかがえた。
‥もはや彼クラスの中堅になれば、完投をしての勝利には特段拘っていないかもしれないが、ここまでチーム内に続出してしまうと、やはり、多少の焦りらしきものはあったろう。
次回登板で『完封を目指す』と口にしていた達孝太が「7人目」となる可能性大。近代野球ではなかなか珍しい、当該2016年のときにも見られなかったハイレベルな争いが、投手陣の間で起きている。