勝てども勝てども、尚その差は縮まらず‥‥
現状を石川啄木風に表現したならそんな感じか。ファイターズがライオンズ相手に3連勝すれば、ホークスもバファローズ相手に3連勝。ゲーム差2.5のまま最終盤の闘いへ――
それでも9日からの変則ホーム6試合を5勝1敗。戦前の4差を縮めることができたのだからヨシとしよう。「戦利品」としてバファローズ戦とはタイの勝敗で今シーズンを終え、ライオンズ相手には今季勝ち越しを決めた。
‥筆者がカード別勝ち越しにこだわっているのは、ファイターズが2位に浮上した2024年その前年までホークス、イーグルス、マリーンズ‥ 3球団相手に、実に5年も亘って負け続けた。「タイ」の年さえない、完璧な負け越しである。これが、誠に悔しかった(苦笑)
おかげでイーグルスとマリーンズ相手にはすでに今年も勝ち越しを決め、対ホークス戦もまだその可能性は残している。残り2試合、ここを連勝できたならカード勝ち越しはおろか逆転優勝もいよいよ現実味を帯びてくるが、どうなるか。
当該ライオンズ戦のあたりから突如スタンドから起こり始めた「ガタシュー」コール。近ごろバットの方でも存在感を見せ始めている新人、山縣秀の愛称だ。
ファームでは打率2割にも満たなかった打力も日を追うごとに向上し、9月は打率.344、本塁打2、打点5(16日現在)。以前も記した、とりわけモイネロからの二発は圧巻であった。もともと定評のあった守備は主に遊撃の位置に就き、定着しそうな勢い‥。今季の遊撃は水野達稀の安泰かと思っていたが、一度の故障が明暗を分けた格好。
その「ガタシュー」コール。田中賢介の「ケンスケ」コールを思い出すと、SNSなどでも名前が挙がっていた。‥ではケンスケの前は誰かというと、五十嵐信一。なんともチャーミングな 「シンちゃん」コールである。
(C)amazon 引退後はフロントに
ワシの記憶が正しければ、わりと現役晩年の頃から始まったように思う。新星「イチロー」コールに対抗してか、あるいは当時人気があった【クレヨンしんちゃん】を意識してかw
山縣とはまた種の違ったオールラウンドプレーヤーで内外野をこなした。打撃はチーム全体で攻略に手を焼いたオリックス・星野伸之キラーとしても名を馳せる。
それにしても、ケンスケといいシンちゃんといい現代版ガタシューといい、決して派手ではない、俗に言う「いぶし銀」プレーヤーがその対象に選ばれているのがいい。「コータロー!」(清宮)、「マンチュー!」(万波)もハマりそうだが、彼らはホームラン1本打てば新聞の見出しになる。滅多に新聞の見出しにはならない「いぶし銀」が、こうしてファンから愛される、その光景が微笑ましい。
エラーが頻発して気が滅入ったエスコンF開業当初と比べ、今ではすっかり頼もしく変貌を遂げた内野陣。守備職人・山縣の加入は、あらためて大きかった。
