先日放送のテレ東系【正解の無いクイズ】の中にあった問い。
AIが言われて一番ショックな一言を考えてください――
これこれ。コレ系だ。‥実は前々から漠然とだが考えていたものがあって、一番シックリ来る「問い」だった。自分の中でピタリ当てはまったのが「世にも奇妙な物語」内、屈指のトラウマ作品としても挙げられる【懲役30日】。ここで登場する、看守役の松重豊がヒット。
彼は「AI」ではないが、実在はしない‥(現実世界で)実体を持たぬ点において、かなりそれに近い存在と言える。正しくは、あの世界での看守の立ち位置は、囚人役・三上博史の「脳内装置」というべきか。
こうした「AIっぽい」松重豊のもっともタチが悪いのは、囚人の苦しみが見えている‥囚人が壊れていくのを理解している‥それでも止めない。およそヒトらしい感情が「インプット」されていない点だ。だが、ここがポイントであるのだけれど、彼自身は、自らが何者であるのかもきちんと理解をしている。それこそ現代AIのように。
そんな「AIっぽい」松重豊へ三上博史が放つ、いちばん効果的かつ言われてショックな一言。
『お前、オンナ抱いた事ないんだろ?』
これは、作中での三上が「プレイボーイ」風の男だったことにもかかっている(筆者の本意ではない笑)。ラストで【懲役30日】の、本当の仕掛けを三上本人に伝えている。‥もう知ってしまった以上、精一杯の皮肉も込めて。
むろん、こうした悪態をつけば「AIっぽい」松重豊からの更なる拷問も覚悟しなければならないが、どのみち「出られない」ことに変わりはないのだから、一度くらいイイのではないか。AIが悔しがったりもするのか、少し反応も観てみたいし。
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しかしながら不思議なことに、このストーリーは気持ちが沈んでいる時ほど、すんなり身体に入ってくることがある。
慰めてくれるわけでも、励ましてくれるわけでもない。ただ『世界はそんなに優しくない 甘くない』と多少、残酷にも見えるカタチで視聴者へ呈示する。‥明るい言葉がつらい夜ほど、こうした不親切な物語が、逆に親切に感じられる瞬間がある。
【懲役30日】。それはもしかすると「毒を以て毒を制す」ための、静かな処方箋だったのかもしれない――
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