有原航平の補強‥いや「帰還」は、なんだかんだで、嬉しかった。
もし報道にあるように、獲得に手を挙げた球団が巨人と日本ハム、その二択であるならあくまで「一般論」からすれば、前者を選びそうなものじゃない? かつてのミュージシャンの楽曲ではないが、花の都・大東京に在る球団の誘いを蹴ってまで選んでくれた彼に、ワシは敬意すら表する。
正直、昨年ホークスで最多勝のタイトルを獲得した有原に対し、苦虫を嚙み潰す思いをしていたファンは、相当数いたと思う。結果、ファイターズは彼の活躍、有原ひとりが持つ「貯金分」で、ホークスに優勝をさらわれたのだから。
だが、その彼が4年20億という破格の条件と共に帰還した今、これほど頼もしい「万々歳」の補強はない。昨季最多勝の有原と伊藤大海。この両投手が同じマウンドに君臨する。実績も話題性も申し分ない「勝利への道標」が揃い、ファイターズは今、名実ともに「先発王国」へと変貌を遂げた。
新庄監督が早々に指名した「ホーム開幕戦・有原」。‥今や方々で「世界一」とも評されるスタジアム、エスコンフィールドの真っ新なマウンドで、彼は何を思うのか。
『有原、かつての敵としての脅威を、今度は俺たちの歓喜に変えてくれ』。最多勝右腕の「格」を見せつけ、王国の夜明けを告げる快投を、北の大地は静かに待っている。
(C)amazon 役者は揃った?
そして、打撃で期待を遥かに超えてきたのが、西川遥輝とロドルフォ・カストロだ。ここでは「新顔」の、カストロについて触れたい。
2月28日の台湾・味全戦で見せた、高い弧を描く豪快な一発。その滞空時間の長さに、あの万波中正ですら手を叩いて唖然としていたという。
『目標は30本。エスコンの空を、お前の弾道で蹂躙してくれ』。オープン戦、タイガース戦でも場外ネット直撃の特大アーチを放ち、メジャー通算22本塁打の実力を遺憾なく発揮している。遊撃・二塁もこなす26歳のユーティリティが内野の核となった時、王国の打線にいよいよ死角はなくなる。
今、チーム内ではかつてないほど熾烈なレギュラー争いが繰り広げられている。有原の経験と、カストロの爆発力。指揮官が『心を鬼にして』選び抜くベストの布陣。その先に待っているのは、もはや「期待」ではなく、圧倒的な力でパ・リーグを支配する「優勝」の二文字だ。
