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【「101回」の金字塔と「102回」の迷走―35年の歳月が暴いた 愛の正体「テレビ」ここまで言って委員会37】メランコリー親父のやきう日誌 《2026年4月09日版》

いつだったか【あぶない刑事】を令和の今になってハマっている‥ そんなエントリをここで綴った。

薫役、浅野温子がそれから3年後に送られた【101回目のプロポーズ】でも同名役で出演していたのは、おそらく制作に携わった野島伸司氏の、ちょっとした「遊び心」だったのではないか。【あぶ刑事】少年課に属する天真爛漫な女刑事から、ロングヘア―をなびかせた、どこか艶っぽいチェリストへ‥ 鮮やかな転身っぷり。正に女優・浅野温子の「業」を見せられた思いである。

 

話題になっているのか、いやそんなでもないのか‥「101回」の続編にあたる【102回目のプロポーズ】が、この4月からスタートした。そこで発覚した、薫が故人になっていたという衝撃事実‥。霜降り明星の「せいや」と唐田えりかを主演を据えた配役にも、観る前からすでに不安を覚えていたが、図らずも的中してしまった格好。

 

前作のホンを描いた野島氏にも当然了承を得ているとは思うが、本当によくぞ許可をしたと思う。筆者も『初回くらいは‥』と、そこまで気乗りがしないまま乗っかってみたが、これはもう完全にコメディ‥いや、パロディといっていいだろう。

せいやとえりかの出会いを、初代のお見合いから、令和仕様にマッチングアプリに置き換えた‥まではいいが、互いに知人の「代理」で会いにやってきたという設定。‥なんだそれ(笑)。ストーリーの上では、えりかの方は婚約者がいるのにも拘らず、だ。カオル母さんも泣くゾ?

そもそも、この続編の話を最初に聞いたとき、当然「月9枠」で、もっと大々的に送られるのかと思っていたら、深夜帯で30分弱の短尺。視聴率記録もつくった伝説的なドラマに対し、あんまりな扱いである。

「代理」で始まった恋に、命を懸けたプロポーズの重奏(アンコール)が響くはずもない。視聴者とりわけ「101回」ファンが求めていたのは「令和のパロディ」ではなく、あの日の泥臭い真実の続きだったはずなのだが。

 

筆者も、それだけ大仰なことを書く権利はあると自負している。「101回」の方は、ほぼ1年に一回の間隔で、計30回近くリピートしている。DVDも持っているし、例に漏れずチャゲアスのCDも、過去に買った(笑)。‥はては、好きすぎて勝手に「俺流」続編を考案してしまった、ほどである。

その空想世界で純平(江口洋介)と千恵(田中律子)は結ばれているのだが、鈴木おさむが企画したこちらの続編では、そうなっていない。あの若い二人は明らかに「くっつく」ような流れで野島氏も描いていたのに。‥いや、もしかしたら江口のギャラ問題等の複雑なオトナの事情が、そこには絡んでいるのかもしれないけれど。

 

(C)amazon バリバリのアイドル出

田中律子/FRIENDSHIP コンプリート・シングルス

 

実は、つい先日もTVerで送られていた「101回」の方を見入ってしまった。あらためて放送から35年という歳月の重さを思い知った。薫の友人役だった浅田美代子は「からくり解答者」、達郎の恋敵で爽やかな青年役を演じていた竹内力は、いつしかVシネマの帝王となり、千恵役の田中律子は徳光和夫のバス旅付添人になって、達郎役の武田鉄矢の朝の情報番組のコメンテーターとなる‥‥。

画面の中で止まったままの「純愛」を、無理に令和のアプリに当てはめる必要などなかったのである。主演者たちの顔に刻まれた皺や、それぞれの歩んだ道こそが「101回」という物語の、誠実な回答なのだから。

「102回目」を描くなら、マッチングアプリの代理出席などではなく、彼らが過ごした「1万2000日」の重みの方を、できるなら観たかった。

 

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