今年の夏は、テレビ放送されていたものを含めれば、10本近くの旧作映画を観た。本来なら1作品ずつ、記事にしてまとめられれば良かったのだけれど、特記すべき感銘はなかったというか、平たく言うと、つまり“ハズレ”が多かったのもあって、億劫になってしまった。
しかし、それらをひとつにすれば、なんとか一本のエントリにはなる。‥タイトルの列挙同然ではあまり参考にはならないかもしれないが、ごく個人的な「備忘録」も兼ねて、今回、ここに書き記しておきたいと思う。
まずは約2年ぶりにテレビ放送された【天空の城ラピュタ】(8/30)。相も変わらず14.5%の高視聴率を記録した模様。これだから日テレもやめられない。今さら普通に感想を記すのもナンだから、好きなシーンを2か所ほど。ひとつはパズーのセリフで......
君が空から降りてきたときドキドキしたんだ。きっと素敵なことが始まったんだって
これ。真顔でこんなセリフを言われたら、トキめかない女子はいないのではないか。‥こう文字にしてあらためて眺めると、なかなか文学的だ。シータが抱く彼への恋愛感情は、この言葉によって決定づけられたと、僕は思っている。
『君が空から降りてきたとき』を『君が隣の席に着いたとき』にすれば、合コンのシーンでも一目置かれること請け合い。ぜひ試してほしい。ポイントは、パズーのように自然な口ぶりで。
もうひとつは、彼らが先行してラピュタに着いた際、生き残りのロボット兵が墓に花を手向けに来る場面。シータの頬をつたった一筋の涙が好き。なんかあのシーン、グッとくる。彼女の純な人柄を表しているようだ。あと、マニアックどころではターキン(ブータン 国獣→検索)に似た動物を数頭したがえ、小屋から外の様子を窺っているシーンもポイント高し。
大好きなムスカ大佐モノマネ
テレ東「午後のロードショー」枠(8/30)でお目見えした【海底47m】は、英国制作のホラー映画。こちらはすでにDVDで視聴していたからスルーしたけれど、同枠ではこの少し前に【ディープ・ブルー】も放映されていた。ちょっとしたサメ祭りである。
前者は海底に沈んだケージの中に閉じ込められてしまう姉妹を描く。脱出を試みるも、辺りには人食い鮫‥‥ボンベ内の酸素もいよいよ残り少なくなってきて‥‥という絶体絶命のシチュエーション。下手なホラー映画より怖い。
だいぶリアルな演出に目を奪われたが、ラストシーンにはしてやられた。視聴者の多くが『そう来たか!』と、吉本芸人ばりにズッこけたのではないか。筆者は、わりと高評価。
パニック映画という観点なら、この2作品も同種か。山から転落し、岩に挟まれて身動きが取れなくなった男の【127時間】と、広大な宇宙空間に投げ出された女の【ゼロ・グラビティ】。プライベートで訪れていた男の方は完全に自業自得。主人公が見た夢、回想などを盛り込みながら、巨大岩との格闘。‥見た目も含めて、いろいろ痛い。
一方、女の方は任務上でのトラブルによって生死を彷徨う。事前に拝見したレビューサイトでは『ありえん!』そう怒りにも似た意見が数多く占めていて、ある程度、覚悟はできていたのけれど、それでも“ありえない”ことだらけで、唖然茫然。宇宙空間にも拘わらず、薄っぺらな宇宙服しか身に着けていなかった彼女が、結果的に地球に生還できてしまう。そのImpossibleな過程を、エンターテイメントとして愉しみたい方はぜひ。《つづく予定》
他リスト:【イントゥ・ザ・ワイルド】【マイ・インターン】【ブラック・スワン】【ジョニーは戦場へ行った】【シャイニング】