あれぞまさしく強いチームのする野球.......
パのファーストステージは引き締まった、実に見ごたえのあるイイ試合をしていた。上にいるチームはちがう。観戦しながら両軍の選手層の厚さをまざまざと思い知らされた。‥やはり、なるべくしてファイターズは今季5位という順位に収まったのである。
『育成だけでは限界がある』以前、そんな話をした。とはいえ、FA補強はしない球団なのだから、新人選手を含めた若手育成に、心血を注ぐ必要があるのは変わらないわけで。だが......
清宮幸太郎が手術。来シーズンを見据えたものとはいえ、出遅れは必至だ。“ドラ2”ルーキー・野村佑希(19)も9月に負った「左股関節後方亜脱臼」の重傷で全治5カ月‥。手術は無事成功したというが、報道の通りなら来季の開幕には間に合いそうもない。
とりわけ野村は【三塁】を守れる【右打ち】の野手ということで、チーム(一軍)のウイークポイントとも合致。ファームでは75試合に出場して打率.245、本塁打5、打点32。
一見平凡な数字ながら、打撃各部門で昨年のドラフト会議を沸かせた「大阪桐蔭コンビ」、根尾昂と藤原恭大の成績を上回っている。たいへん期待値の高い選手であっただけに、先の故障は残念だ。あくまで「育成」に重きを置くなら、球団をあげての選手のケガ防止が、まず絶対要件だろう。
剛腕もプロでは球速「150」に一度も届かなかった
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◇ドラフト・プレイバック
埼玉西武の大石達也投手、戦力外(→現役引退)の報は、各紙でセンセーショナルに報じられた。大石に6球団も競合した2010年度のドラフトは、彼と斎藤佑樹‥それから、澤村拓一(中央大→巨人)の進路先に話題が集まっていたように思う。
9年経った今、当時の「ドライチ」で現在も一線で活躍中と言えるのは、山田哲人(ヤクルト)と大野雄大(中日)。ワンランク下げて塩見貴洋(楽天)と澤村‥。山田と塩見は、それぞれ斎藤と大石の“ハズレ1位”だった。事前の注目度が、必ずしもその後を成功を約束しているわけではない、ドラフトの難しさよ。
北海道日本ハムファイターズは1位の斎藤佑に始まり、3位は乾真大、4位に榎下陽大を指名。学生野球でも名を馳せていた「大卒即戦力トリオ」の交渉権獲得に、おもわず筆者もニンマリ。120点満点評価をくだした。
‥が、蓋を開けてみると彼らはプロ野球の世界でいささか伸び悩み、いちばんの「出世頭」が智辯和歌山から入った2位の西川遥輝。現・億円プレーヤー。高卒選手の育成上手は、この頃からすでに始まっていた。