センテンス・オータム

ディープ・マニアック・鋭く「DMS」 様々なアレについて... (シーズン中は野球ネタ多し)

志村けんになりたい

当時の「全員集合」の映像を視ていると、客席にいる子供たちが主役の登場を心待ちにする様子がよく伝わってくる....

 

 

いま視ても、正直、あまり面白いとは思えない。

私がオトナに“なってしまった”のも多分にあるのだろうが、あながちそれだけではないような気もする。はたして現代の‥どこか冷めた感のある子供たちは彼らのコントという名の芸を見て大笑いするのだろうか。「うんこ」とか「ちん〇ん」で笑いが取れた、あの時代‥。感受性のちがい、といわれれば、それまでだけど。

 

しかしながら、ドリフターズというのは、あらためて不思議なグループだ。子供に絶大な人気がありながら、一方で「ストリップ」ごとくな芸をしたりもする‥。一見、“矛盾”しているそんな彼らの芸も、当時は受け入れられていた。今も昔も、ドリフターズのような集団はどこにも見当たらない。

 

 

12年ぶりにコントを披露した、先月の特番をみた。

「全員集合」世代ではないが、加藤茶志村けんのコンビを見ると、勝手にワクワクする。おそらく、そのときは子供の頃に戻ってしまうのだろう。私は「加トケン」世代だった。

 長さんを除く、残った4人のメンバーの年齢の合計していくと、ちょうど300歳。それぞれがいいお歳になった。志村氏の67歳は(他のメンバーと比べ)若いとか、対象ブー氏の人間ドックの話がなされるたび、彼らもまた“普通の人”たちであった事実を実感し、ホッコリした。

 

ドリフにまつわる書物を、筆者も何冊か目を通したことがある。途中から加入した志村けん氏の存在は、本当に大きかったと思う。いかりやリーダーもその才能を認めていたほど、そのセンスは、ちょっと突出していた。番組内でもみせていた、お婆さん役は、まさに「神芸」である。

それにしてもコントの中での氏は、“ブレない”。キャラが一貫している。たとえば「バカ殿」などが長く愛される理由は、ここにあるのではないか。いつも悪巧みをする、エロキャラ‥。いつの時代にいても、バカ殿は変わらない。人は、この“安定性”に帰ってきたくなる。

 

 

志村けんのバカ殿様 大盤振舞編 DVD箱(3枚組)

 

 

だが一方で、演じない“素”の志村氏は、ちゃんと「アドリブ」も利く。他のメンバーとちがい、テレビの一線で活躍してこれたのは、この差なのだろう。トーク番組などで突然話を振られて言葉に詰まってしまう加トちゃんの姿を何度か見かけたことがあるけれど、志村氏にはそういったシーンがほとんど見られない。だから使う側も起用しやすいし、共演者にもさぞウケが良いことだろうと思う。

 

 

トーク番組隆盛の時代にも適応。持ち場持ち場で柔軟に対応でき、コントでは他の追随を許さぬプロの業をみせる‥‥。最近私は常々こう思う。

 

志村けんのような男に、自分もなりたい、と。

 

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