『おーい。コレ貼っといて』
ゲストが持参したポスターを貼るように命じる、MCタモさんの定番ゼリフ@笑っていいとも!
‥そう、同番組は「番宣」に利用されることも多かった。「月9」が全盛だった頃は、人気俳優がテレフォンショッキングに出演し、慣れない“素の”トークを展開していた。若者のテレビ離れが深刻な現代は「番宣」の在り方も変わってきたように思う。【なるほど!ザ・ワールド】何とかの祭典のような複合型を除き、あの当時、俳優がバラエティ番組に出演するというのは、いわゆる“下っ端”以外では、あまり見られなかったケースではないか。
なのに、近年はトップスター自ら、その「番宣役」を買って出る。‥いや、話題づくりや視聴率アップのために『もう出ざるをえない』といった方が正しいのかもしれない。
今秋、木村拓哉(46)も多様なバラエティ番組に出演していた。それ自体、もはや驚くことではないけれど【櫻井・有吉THE夜会】に出ていたのには、さすがにビビった。
詳細は割愛するが、ある程度ジャニーズに通じている者なら、この嵐のメンバーと元SMAPである木村氏の競演は「奇跡」にも等しく、これまでなら絶対に考えられなかったこと。たとえるならば、平成時代にお笑い界で人気を二分していた、とんねるずとダウンタウンが同じ番組に出ている感覚に近い。
当然、歌番組以外では初共演だったという二人‥。オンエア中も、とりわけ事務所の後輩である櫻井の動揺ぶりが伝わってきた。VTRが多い番組で、櫻井にとっては良かっただろう。
さて、肝心のドラマについて。初回がラグビー日本代表戦の「裏」ということで、兼ねてから関係者方に危惧されていた。しかし【グランメゾン東京】にとっての敵はラグビーではなかった。直前の日本シリーズ「福岡ソフトバンク対巨人」の放送時間延長によって、50分遅れのスタート。‥のちに訊いた話では、この至極悪条件下のなかで視聴率二桁超えを果たせたのだから、局側からすれば御の字だろう(※1)。「番宣」を頑張ってきた甲斐があったというもの。
以前の、ボディガードに扮したときの、何か“くたびれた感じ”のキムタクには違和感を覚えた。が、今回は「視聴率男」の名をほしいままにしていた当時の、カッコいいキムタクが久々に還ってきた。‥言ってみれば『いつも同じ役に見える』そう揶揄されていた頃のキムタクだったが、彼はそれでいいんだと思う。
つづいて内容の方。気づいたのは、この【グランメゾン東京】‥‥ある人気ドラマの展開と非常によく似ている。尾花(木村)の失態により、離れ離れになってしまった、かつてのシェフ仲間‥。日本であらたに三ツ星レストランを開店すべく、元同僚たちを訪ね歩くも、冷たくあしらわれる‥。しかし、尾花に絆されることによって、彼らがひとり、またひとりと戻ってきて‥‥。という序盤の展開。
アラサー以上の方ならお分かりいただけるだろうか。そう、まるで
ひとつ屋根の下 なのである
大黒柱の木村があんちゃん(長男)。尾花の傍に寄り添ってフォローをする鈴木京香が妹の小雪(長女)。あんちゃんとさして歳が変わらない、知性的な沢村一樹がチィ兄ちゃん(次男)。とんがった玉森裕太が、さながら柏木和也(三男)といったところか。
初回で沢村が加わり、残りのメンバーを集めるだけでも、とりあえず3~4話分くらいまでは持ちそうである。木村あんちゃんの大号令のもと、ひとつ屋根の下、晴れて【グランメゾン東京】は開店を迎えるのだ。
(あんちゃーん)
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‥チィ兄ちゃん で思い出したが、演者・福山雅治も今月はわりと精力的に主演映画【マチネの終わりに】の宣伝活動を行っていた。【ぴったんこカン・カン】では、共演の石田ゆり子と登山。前半にあったパリロケの木村とは大違いの、カラダを張ったロケ。乙。
直近のサンデー毎日(※2)ではロングインタビューの模様が掲載されている。終盤、珍しく?大真面目に「愛」について語る福山氏。必見だ。
《参考》
(※1)『グランメゾン東京』悪条件下で驚異的高視聴率…20%超え&『ドクターX』超えの勢い
(※2)2019年11月3日号