打てども打てども、得点には結びつかない....
こういう試合が、もっとも苛立つ。結果、試合に勝ったなら、少しは報われるようなものの、敗戦となれば、そのイライラを一体どこかで発散させれば良いのだろう。ある意味ヤツらは卑怯だ。
13日のソフトバンク戦は終始塁上を賑わせ、圧倒的に相手を押していた。しかし、13安打も放って得点はホームランでの2点のみ。やらなくてもいいのに、14日の月曜日も同戦が組まれているのだとか‥。もう勘弁してほしい。今、ファイターズの試合を観ることは、精神衛生上、とてもよくない。
さすがの私も色めきだった。1点ビハインドの9回1死2、3塁の場面である。打席には、この日猛打賞をマークしていた3番・大田。相手守護神・サファテを“珍しく”追いつめた。
無死満塁時もしかり、このようなシチュエーションにおいては、後続の打者にプレッシャーがのしかかってしまうから、まず、最初のバッターが何とかしないといけない。これが鉄則だけれど、次が、よりによって中田翔だ。大田がダメなら、ファイターズの勝利はないだろう。
サファテの豪速球の前には、大田も撃沈。さぁ4番・ナカターー
彼の場合、「期待」など本来一切してはいけなかったのだが、私もイチブロガーとして、スポーツ紙の記者になったつもりで、様々な“妄想”を張り巡らしてしまう。
奇しくも、この日4番に返り咲いた?中田翔。めでたく1000試合出場‥‥
ここで長打でも打とうものなら、チームの全打点をたたき出し、おまけにルーキーの堀に初白星がつけられるかもしれない。さらに、前日同じ最終回で三振を喫しているサファテ相手に、中田が怒りのリベンジをしたら‥‥
やられたらやり返す
これぞチームの4番。お前はやっぱり「ヒーロー」だー!
となって、画的にも、ネタ的にもおいしかった‥はずだった。
結果は“案の定”な空振り三振である。真逆に位置する別種の、“やっぱり”。もうこうした光景を、我々は何度彼に見せられてきたことだろう。
2安打2打点の活躍も、勝負どころで打ってこそ、真のヒーローだ。その点、よく比較される清原和博は、ここぞの場面で打っていた印象がある。中田は、清原の域にも、まだ到底達していない。
‥試合から離れて、筆者には心配な点がふたつ。
侍JAPANの監督に就任した稲葉篤紀氏。ずいぶんとそのチカラを買っているらしい中田を、氏は今後、全日本に招集するのだろうか。とてもとても、「全日本」に名を連ねるほどのチカラを持ち合わせているとは思えないが、これまでの流れからして呼ばれる可能性は、高い。中田の現状を分かっちゃいないのか、週刊文春の記者は『おそらく東京五輪では主将的な存在となる』 とまで書きたてている‥。
仮に五輪を“オールプロ”で挑むとしたら、ナカタなんかをサムライに加えて、本当にいいのか。他人事ながら、私は心配だ。某誌で『監督の器ではない』と、ボロクソに言っていたのはノムさん。‥それよりもまず稲葉氏に「外す勇気」が持てるかどうか。自分自身のために、何より侍JAPANのために、“最善”の決断をしていただきたい。
週刊文春 7月27日号[雑誌]誌面より
もうひとつは、直接中田とは関係ないが、このままチームが負け続けていくと、心配なこと。上の記事によると、実は現監督の栗山英樹も、サムライの監督候補に挙がっていたらしい。
就任から5年間で2度もファイターズを優勝に導いた栗山氏なら、その名も恥じない。実績からみても十分に氏を「名将」と呼んでもいいだろう。
ところが“昨シーズンまで”377勝320敗21分け。勝率.541を誇っていた監督が、今年8月13日夜までの散々たる成績を加算すると、勝率は一気に.514まで落ちこみ「並み」になってしまう。
‥今後も続いてゆくであろう、自らの野球生活のためにも、もうこれ以上は勝率を下げたくないところだ。ちなみに恩師のノムさんは勝率でいうとかろうじて5割を上回っている程度だが、通算では1565勝もしている。