「斎藤洋介死去」の報については前回でも触れた。今記事で、もう少し付けだけ足しておこう。
斎藤氏出演ドラマでのお勧めは、なんといっても【世紀末の詩】。当作品、たしかソフト化はされていないはずだが、これの第2話にゲスト出演していた。見合いを何度も断られ続けてきた、花火会社の営業マン役。唯一無二な、その独特な容貌を弄られる様も【101回目のプロポーズ】を彷彿とさせる。
けれども、劇中の彼は大層ロマンチックな男だった。盲目の恋人(このシチュエーションも良き)に捧げるために考案した花火の名が「TRUE LOVE FLOUR」。直訳すると、真実の愛の花‥。
そんな臭いセリフを、藤井フミヤとは全く似ても似つかぬ、しょぼくれた中年男性(竹野内豊の台詞より)が大マジメに口にする。結果、彼はひどい裏切りにあってしまうのだが、切なすぎるそのラストシーンと相まって印象に残るストーリーだった。
ある意味『斎藤さんだからこそ出来た作品』といって差し支えあるまい。年に何回か見たくなる、珠玉の名作だ。
三上博史がゲストの第5話も秀逸作
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◇「航空機事故」を扱った傑作
今夏も青山透子氏が一冊の本を上梓した。本のタイトルは【日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす】(※1)。
このように、毎年「その季節」に合わせて?123便墜落事故関連の書籍が世に出される。貴女は出版界のTUBEか。‥ちなみ、元CAらしいが、正体は謎めいている。私も形貌を見たことはない。タイトルからでも読める通り、政治的観点からもかなり際どい文章を綴っているので、おそらく狙われないためだろう。
もし万が一、原因が「圧力隔壁」ではなかったとして、それで誰が浮かばれるというのか‥。関連本を濫発させて喜んでいるのは印税が入る、けっきょく青山氏本人だけなのではないか。
‥筆者と言えば「その季節」になると、ドラマ【神はサイコロを振らない】を決まって観たくなる。10年前に行方不明となった旅客機が突如、現代にタイムスリップしてくるという非現実的なファンタジー。
亡くなった、と思われていた乗員乗客と「遺族」との交流が実に味わい深い。主人公を演じるのは、小林聡美。普段どちらかといえばハイカラな役柄が多いのに、本作品では妙に「イイ女」の役だった。
彼女の恋人役に山本太郎(現政治家)、ニートの弟役に武田真治(筋肉サックス)、遭難した乗客役に若き日の中村倫也も顔を覗かせているなど、そのキャストも時空を超えて今、注目に値する。
憶測だけなら創作で十分
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◇酒好きwoman‘sの旅
19日放送、テレビ東京系【土曜スペシャル あさこ・梨乃・幸の5万円旅】が愉しかった。不定期で放送されていて、いとうあさことかたせ梨乃、もう一人のゲストを迎えて送られる旅番組。この日は女芸人の薄幸が旅に加わった。
‥なんだろう、そんな毎回熱心に観ていたわけでもなかったが、近ごろは大のオトナ(主に熟女)が『さぁ酒だ酒だ』と言って何かにつけて、場所を選ばず呑んでいるところが潔くて良き。飲みっぷりも最高。観ているこちらまで酔った気になってくる。
この手の乗り継ぎ番組だとかは昨今非常に多いけれども、あさこと梨乃のはいたって自然体で好きだ。一個人的には、同一局の太川陽介と蛭子さんの番組よりヒット。
《参考》