先の千葉ロッテ戦で中田翔が登場曲に、オリラジの「パーフェクトヒューマン」を突然使用していたことに驚かれたファンもいただろう。歌詞に『NAKATA』が含まれる同曲‥‥予想できたとはいえ、従来の「MY HERO」も相当、本人も気に入っていたようだし、変更はないと思っていた。
気分転換も兼ねていたのだろうか。スランプに陥ってしまったときなど、こういった試みも、たまには良い。さすがに打席ごとに変えるYOHだと、少々やりすぎだと感じるが。
俺は過去、この「登場曲」については幾度となく触れてきている。“ハマっていると思う”曲や“かっこいい曲”。一度、是非にと推していた反町隆史の「POISON」を、思いがけず、白村明弘がオープン戦で使ってくれたときは、歓喜もした。
しかし、あの日の衝撃‥。俺が受けた「衝撃」の大きさにかんしてはいえば、カレが一番だった。
前田大輔。2011年までオリックスに在籍していた捕手。珍しくオリックス主催の東京ドームでの試合。前田の打席時、大音響で、あのアニメ「タッチ」のイントロが、軽快に流れ出したのだ。直後に、岩崎良美の美声がドーム内に響き渡る‥。
『やられた』と思った。インパクト十分。当時、前田は控え捕手であったはずだが、これにより、俺の中で「前田大輔」の名が完璧にインプットされた。まさに、登場曲効果。タッチ・ミラクル!
ご存知のように、タッチはあだち充原作の国民的野球マンガ。‥とはいえ、選手登場曲として岩崎良美をチョイスしようなんて、今ほど流行る前のあのときは、思いもよらなかった。
『将来、タッチを実写化させるとしたら、主人公役は野球経験者である、この俺しかいない』
‥若かりし頃、本気でそんな野望を抱いていた時期もある。蓋をあけたら、劇場版では斉藤祥太・慶太が上杉兄弟に扮していた。“リアル”双子には、さすがに太刀打ちできない(笑)
浅倉南役には長澤まさみ、か。俺も、長澤まさみのような子に、飲み物を持ってきてもらいたかった。憧れの、マネージャーと秘密の恋‥‥。ただ、願ったところで、うちの野球部には南チャンどころか女子そのものが皆無であったので、永遠に叶いっこなかったのだが。