8日のオリックス戦‥‥。上位打線に組み込まれた西川と大田。ふたりの長短打であげた、わずか1得点を守りきっての勝利は、今季ここまでの戦いぶりを象徴していたかのよう。ともあれ、ファイターズの「令和」本拠地初勝利と相成った。
5回75球、余力を残して無失点のまま降板した、先発の金子弌大。
彼クラスの投手が首脳陣に直訴すれば続投もできたはず。ベンチ内で覗かせていた試合終盤の緊張した面持ち、終了後は我がことのように喜んでいた姿は、もう自身に付く白星なぞに、“こだわり”はないのかもしれない。‥個人のタイトルは獲得しつくした金子クラスの投手になれば、この境地に達せられるのだろうか。
先発投手の出来次第で、何とかなりそうなのが今のファイターズだ。総じて安定している救援陣。ハンコック、浦野の不調こそ誤算だったが、若く使い勝手の良い、玉井大翔と堀瑞輝が好調を維持しているのは大きい。ここにきて鍵谷、石川直も復調の気配を見せ始めてきている。駒は豊富で「オープナー」を採用したくなるのも頷ける陣容である。
金子の後を継いで、今季初白星を手にしたのが、公文克彦(27)。開幕はファームで迎えるも、早々に一軍からお呼びがかった。8日夜現在で、計9回1/3イニングを無失点。ホールド2つに、セーブが1つ‥‥。この間、わずかに3安打しか許していない。オープン戦時の不調はどこへやらの、快刀乱麻な投球を継続している。
筆者が“地味に”注目しているのは、彼の無敗記録。先日、久々に勝利投手となった巨人の高木京介がデビューから連続試合無敗記録を延ばした‥‥紙面でそう伝えられていた。実、巨人からの移籍の公文も“地味に”、同時点でデビューから123戦、無敗記録を続けている。
巨人では勝ち星をあげることができなかったが、ファイターズ移籍後3シーズンで6勝0敗‥‥。トレードで運も引き寄せた、敗けない男・公文。‥いま、左打者にとっては特に攻略が難しい、左腕投手の一人と言えるのではないか。
◇ファーム短信
同日昼間に行われた、イースタンリーグの千葉ロッテマリーンズ戦。ファイターズファンのモーニング娘。の牧野真莉愛(18)が、浦和にまで観戦しに行ったようだ。スコアを取るのに必死だった私は、残念ながら後になって彼女の訪問を知ったのだけれども、試しにブログを覗いてみたら、なんと「筋金入り」である。
お題が【飛び出せ新時代 令和へともに ファイターズ♪】だなんて、とてもモー娘。の方が書き込むオフィシャルブログとは思えない(笑)。最近は、こうしたお嬢さん方までファイターズを熱心に応援してくださって、嬉しいかぎりだ。
『お?やるな』と、彼女を他と少し違った目で見てしまったのは、カレに触れていなかった点である。同日、観衆から熱視線を浴びていたのは、なんといっても先発を務めた 吉田輝星。その人気者をあえて?スルーし、紺田コーチに着目していたあたり、オジサンにはたまらない(笑)
意味がちがう!
‥吉田輝は、4回途中まで投げて無失点投球。前回のDeNA戦と合わせると、これで計8イニングスを「完封」した。一部報道にあった交流戦前後での一軍初登板も、いよいよ現実味を帯びてきた格好。
釣り球のような高めのボールで空振りを奪うシーンが幾度も見られ、甲子園で大観衆を魅了した、あのホップするストレートがようやくプロでも見られるようになった。これに結果が伴ってくれば、ますます自信も沸いてくる。【天空の城ラピュタ】に登場するムスカ大佐の言葉を借り、こう述べておこう。
航海(育成)は、極めて順調ですよ
清宮は一年前の今日、Bu戦でプロ初本塁打
令和時代を引っ張るファイターズの打の「K」、清宮幸太郎も打撃練習を再開したとのこと。主軸を担うワンボーロンが戦線離脱したチームにあって、打てる選手‥‥とりわけ長いのが打てる選手は、まさしく急募。
吉田輝が投げて清宮が打つ‥‥この夢シチュエーションが実現できるのはファイターズだけ。ふたりで北海道を、日本球界を盛り上げていってほしい。