【週刊ベースボール】3月9日号の特集「12球団外国人大図鑑2020」が秀逸だったという件.......
助っ人たちの変遷を眺めていたのだけれど、こうして振り返ってみると日本ハムファイターズという球団は「大当たり」は少ないが、大ハズレもない‥そんな印象である。記事を鑑みたうえで、私的なランクを付けるならば、
【S】ソレイタ・クルーズ・グロス・ウィルソン・セギノール・レアード
最上位【S】は、タイトル獲得経験者かつ年度の優勝に貢献した者。‥以下は比較的コンスタントに成績を残し続けた助っ人である。1980年代から現代にいたるまで、満遍なく散っている印象だ。過去リーグ優勝を飾ったそれぞれの年も、外国人選手の活躍抜きには語れない。
阪神タイガースの、野手より投手の方に成功例が多いという歴史には驚いた。日本ハムは完全に「野手型」であり、大甘でミラバルとメンドーサの名を挙げたが、両投手は投げてみないと分からない、不安定なところがあった。‥となると、グロスだけ。参考までに、彼が在籍していた年にチームは優勝できなかったけれども、自身は二年連続最多勝に輝いている。
昨今、髭を蓄えた外国人選手が多く見られるなか、そのキップ・リー・グロスという投手は、むしろ髭は脱毛していたのではないか?と思えるほど色白で、やたら爽やかな容貌が印象的であった。
近ごろあまり聴かれない「ムービングファーストボール」が得意球。当時ホークスの主砲だった小久保裕紀が、彼を大の苦手にしていたと記憶。1997年のオールスターで清原和博にホームランを打たれた動画で、彼の投球映像を確認できる。よかったらぜひ。
後年は眼鏡姿に
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昔話はそれくらいにしておき、今シーズンから加入したドリュー・バーヘイゲン。巨人戦で先発したときの投球をみた。球威と速さにかんしては昨年までいた、ハンコック&バーベイトの方が、よほどありそうな気はした(抑えと先発の違いはあるが)。7番の大城卓三に、一番深い右中間スタンドまで運ばれ、打者20人に対し奪った三振は、イスラエル・モタからの2っだけ‥。5回途中2失点(自責4)ながら、幾分「パンチ」に欠けた。首脳陣は先発での起用を考えているというが、どうなることか。
困った問題が起きた。巨人から移籍のビヤヌエバが、これまたサッパリなのである。‥‥まぁ筆者が長年野球を観てきた経験上、オープン戦で打ちまくる外国人ほどシーズンに入ってダメというケースも多いから、結果はそこまで気にしないとはいえ、いくらなんでも18打数1安打はひどい(5日まで)。外国人枠の関係もあって「開幕二軍」もあり得る、散々たる内容だ。
長打力不足解消のために獲得した助っ人が使えないとなれば、昨年からさして戦力の上積みがないということに‥‥。王柏融が好調を維持しているのはわずかに救いだけれど、彼とて年間30発打つようなホームランバッターではない。
新加入のバ―ヘイゲンとビヤヌエバ。はたして彼らの本当に「新戦力」となってくれるのか。「予想外」の活躍を願うばかりだ。
◇はよ来い!清宮!?
清宮幸太郎の実戦復帰が間近らしい。巨人戦を観ていても清宮、斎藤佑、吉田輝星の姿が見られないファイターズは、いささか地味だった(苦笑)。なんだかんだ新聞の「一面」を飾れる選手が彼らであるのは、紛れもない事実であり――
ビヤヌエバ以外にも不安事項はある。中田翔だ。5日までに2本塁打放っているが、いずれもソロ。4日の試合でも、走者を置いたシーンでは凡退に終わった(4‐0)。6回に訪れた無死2、3塁の決定機で、ドン詰まりのキャッチャーゴロに倒れたときは『今年もか‥‥』と、暗澹たる思いに。現状、しばらくはこの男に今シーズンも4番を任すのだろうから、一本のホームランより、試合を決める一打を少しでも多く。
育成2位の樋口龍之介(BCリーグ新潟)。巨人戦2試合で終盤、サードの守備に就いていた。ズングリとした体型(S168 T84)のわりに、身のこなしは軽やか。守りは安定していた印象。回ってきた打席で「プロ初ヒット」もマークした。その際、ベンチ内のほとんどの選手が手を叩いて喜んでいた。見た目通り?の「愛されキャラ」なのかもしれない。
《参考》
◇週刊ベースボール 2020年 3/9 号 特集:12球団外国人大図鑑2020