3月31日の放送分をもって【めちゃイケ】終了......
ここ数年で立て続けに放送が打ち切られるフジの看板バラエティ番組。【笑っていいとも!】に始まり【ごきげんよう】【スマスマ】‥今年の【みなさんのおかげでした】そして【めちゃイケ】と続いた。
‥番組の体からいって【いいとも】と【ごきげんよう】は司会者を変えれば、もしかしたら“無理やり”でも続けることができたかもしれないが、あとの番組は不可能である。【スマスマ】の後番組を嵐が務めたとしても、スマップファンはおそらくそれを視ない。そういうこと。
スマップつながりで一時期、タモリの“後任”として中居正広も目されていた【いいとも】の打ち切りとは、ずいぶん思い切った決断をした。しかし、視聴率低迷で、さんざん「失敗」と言われ続けてきた後番組【バイキング】も、近年それなりに持ち直してきているようで、フジの幹部連中も救われたのではないか。
話を【めちゃイケ】に戻す。筆者は特別番組のファンではなかったけれど、やはり最終回は感傷に浸った。22年という歳月の重み‥‥。先に終了した【みなおか】は、それよりも長かったが、私にとってその番組が始まってから「22年」という時間の長さが“絶妙”であった。
【みなおか】が始まったときも、私自身生まれてはいたけれど、幼かったこともあり、初期の頃のものは、ほとんど記憶にない。保毛尾田保毛男‥『そんなのいたな』くらいの感覚。
【めちゃイケ】がスタートした22年前にもなると、とうに物心はついていて、筆者は当時学生だった。‥いわば番組の開始に立ち合い、初めて最後まで“見届ける”ことができた、長寿のバラエティー番組。野球で喩えるなら、プロ初安打から2000本安打を達成して名球会入りした選手を見届けた気分。
【スマスマ】も、ほぼ同時期に始まったが、放送が月曜日ということもあり、視聴できない日が多かったのを踏まえると、比較的目にする頻度も高かった【めちゃイケ】のほうが、感慨深い。
‥だから最終回を視ながら『あ~あのときはまだ実家で、家族と一緒にみていたな』とか『たしか、このシーンでおふくろが笑っていたっけ‥』等々、当時の情景が次々と脳裏に甦ってきた。最後の結婚式のスピーチで白鳥久美子が『あの頃まだ私は学生で』なんて語り始めていたけれど、同じように自分も昔を振り返っていた。
一連のスピーチのなかで、面白かったのは鈴木紗理奈のとき。メンバーから教わったものとして、雛形あきこからは『プライド』と口にした。その真意は私には解らなかったが、たしかに雛形あきこは以前『プライド』という言葉を口にしていた。
ドラマ【聖者の行進】でのワンシーン。施設の職員から執拗に繰り返される暴力‥。また雛形演じる、軽度な知的障害を持つ妙子も、悪質な性的虐待を受けていた。そこで彼らは立ち上がる。私たちにもプライドがある‥と。この言葉を最初に仲間たちに教えたのが、妙子だった。
雛形あきことプライド‥‥鮮明に蘇ってきたシーン。
おもえばドラマが放送されていた当時、彼女はすでに“めちゃイケメンバー”だった。あれから20年。いつまでも若々しさを保っている彼女自身にさほど変わりはないが、ついにあの名物番組も終わってしまった。
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