これは今から31年前の日本シリーズ。ジャイアンツ打線相手に快投を演じた近鉄・加藤哲郎投手の球史に残る「迷言」とされている。 が、本人はその発言を否定しているし、確かに、当時の映像などを視ても『弱い』とは口にしていない。ただ『大したことない』とだけ(笑)
くだりの発言はあくまで囲み記者からの誘導によるもので、それがいくらか誇張されて、そう新聞に書き立てられたと訊いている。
時は流れ2020年、日本シリーズ。
巨人相手に三連勝を飾り、きょう25日にも日本一が決定しようかという福岡ソフトバンクのあまりの強さに、ため息をする者も多いと思う。この「強すぎる」ソフトバンクに、今季パ・リーグで勝ち越したのは千葉ロッテだけ。‥令和になって再フォーカスされる、のちに巨人「逆転日本一」の戦犯ともされた、加藤氏の胸中やいかに。
相性なのか何なのか、同戦になると部類な強さを発揮したロッテナイン。昨年の戦績は、なんとロッテの17勝8敗である。
しかし、次第にその「神通力」も通用しなくなってきて、今年10月以降の勝敗を見ればソフトバンクが7勝2敗と圧倒(年間M12勝11敗1分け)。クライマックスシリーズもストレートで退けた.......
つまり、(今の) 巨人はロッテより弱くない
少なくとも同等。とりわけ、ポストシーズン(短期決戦)でのソフトバンクの強さは抜きんでている。巨人が適わないのも無理からぬ話で、2020年の我が日ハムなぞソフトバンク相手にシーズンを通じて6勝17敗1分け‥。ほぼほぼトリプルスコア(笑)の、散々たる戦績であった。
主力が軒並み不調の巨人打線。ソフト投手陣の「凄さ」があらためて身に染みたと思う。だが、これはけっこうな数当たってきた日ハム主力打者とて例外ではない。
西川遥輝は対ソフトバンク戦の打率.227と群を抜いて低く、4番の中田翔にいたっては同.193と、2割にも満たない(5本塁打)。唯一、3割越えの大田泰示が目立つくらい。総じて打ちあぐねた感がある。したがって巨人打線が不発続きでも、何ら不思議ではない。
◇最低のシリーズ
第3戦は、丸佳浩が最終回に森唯斗からヒットを放って辛くも無安打無得点試合を逃れた。
個人的にはぜひ、2007年にハムがつくった不名誉な記録に、肩を並べて頂きたかったのだが(笑)
多くの野球ファンが見守る「頂上決戦」の場で、よりによってパーフェクトゲームを達成されたのが誠に恥ずかしいやら、哀しいやら、情けないやら‥‥。江本孟紀にもボロクソ言われた、ハム目線であの史上最低な日本シリーズを基準とし、いかに相応しい形でシリーズを戦い抜けるか、一ファンとしてずっと監視してきた。
まぁアレ以降は、頂上決戦に相応しい‥かどうかは判らないけれども、それなりに善戦はしてきた印象。全国の野球ファン方にも、ある程度ご満足いただける、恥ずかしくない日本シリーズ(2009.2012.2016年)はできたと自負している。
‥他人事ながら巨人よ。いくら強者のソフトバンクが相手とはいえ、昨年といい、このままやられっ放しのまま終わってしまっていいのか。
5年も続けて日シリで敗北を味わう心境とは一体‥‥
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◇上田佳範、コーチ就任
これまた随分と懐かしい名前が........
高校野球ファンの間では「松商の上田」が有名。ドライチでハム入団後、甲子園であのイチローを封じた「投手・上田」は早々に見切りをつけて打者転向。同世代の金子誠らとともに、当時のハムにおいては数少ない?「イケメン班」として抜群の女性人気も誇った。
糸井嘉男>上田>白村明弘。プロ入り後の投手から野手への転向とすれば成功した部類。糸井のようには突き抜けられなかったが、一時期レギュラーとして活躍していた。ハム晩年は強肩を生かした外野守備。‥なかでも井出竜也とのコンビは往時の「イチロー×田口壮」にも引けを取らない鉄壁具合だった。だいぶ久々となる、ハムのユニフォーム姿が待ち遠しい。
この上田コーチ就任で思い出し、ちと提案なのだが、現役時代同じ釜の飯を食った岩本勉にも「投手コーチ」あたりやらせてみてはどうか。‥というか、一度きりでもやらせてみたい。
私も彼の試合解説には長いこと触れてきた。近年はやたら説教?じみて、普段の心がけやら礼儀作法にいたるまで(大のオトナに向かって)、たいそうな発言をするシーンがずいぶんと目立つ。
話だけを聴いていると、なんだか良い指導者になりそうな気がしてくるから不思議(笑)。そういった思考を現場の立場から、チーム内で説いてほしい旨。
もっとも口で言うのは簡単。あとは本人に「その気」があるかどうかだが、はたして「ガンちゃん」コーチの実現性は――