4連敗で終焉――
4年連続、福岡ソフトバンクホークスの日本一で幕を閉じたプロ野球。こういう呆気ない終わり方をしてしまうと、リーグ優勝の歓喜が巨人ファンも今一つ霞んでしまうのではないか。
‥いろいろ思うところはあるけれど、ひとつに、ペナントレース最終盤での巨人のチーム状態が明らかに下り坂であったこと。けっこう負けが込んでいたでしょう？ 対するソフトバンクは上り調子だったうえ、CSで千葉ロッテをくだし、さらに勢いをつけて日本シリーズに臨むことができた。
これに付随して、リーグ優勝から間隔が空いてしまったこと。今季のセ・リーグはCS自体がなかったのだから致し方ないが、ソフトバンクは日本シリーズの直前まで「緊張感」ある試合を行えていた。
試しに過去、両リーグでCSが採用される前の、同舞台で「ストレート負け」を喫したチームを調べてみると、1990年の巨人（vs西武）。リーグ優勝決定日が9月8日で、日本シリーズ開幕が10月20日‥。2002年の西武（vs巨人）が同9月21日で10月26日‥。2005年の阪神（vsロッテ）が同9月29日で10月22日‥。
つまり、「本番」を迎えるまで一カ月前後もの間隔があった。この長期間に渡るブランクは無視できない。‥おもしろい話では1981年の日本ハム。プレーオフでの激闘を終えたわずか4日後に開幕を迎えたシリーズでは、やはり同様なブランクがあった巨人に先勝している。
当時の新聞などによれば圧倒的に不利と目されていたハムが、3戦目まで戦って2勝1敗。一時は有利に立っていたのだ。このあたりにも「流れ」や「勢い」の重要さが窺い知れる。
それから今回の巨人は正規のホームスタジアム、東京ドームを使用できなかったのも痛い。代替球場はよりによって京セラドーム大阪。ソフトバンクはこの地をオリックス戦で何度も訪れており「勝手知ったる場所」といって差し支えない。京セラより格段に試合数が少ない東京ドームであるなら、あのように、簡単には行かなかったかもしれない。
ホームの特性を活かせなかったうえ「全試合DH制」に踏み切ったのもどうだったのか。‥結果論で言うならばソフトバンク側の「思うツボ」だった。私もハムを観てきて経験はあるが、ことパ・リーグチームは、セ主催試合を苦手としている。
近ごろは打てない（低打率の）捕手も多いうえ、さらに9番に投手がくれば下位打線からの得点はほぼ見込めない。バントもパの投手は壊滅的に下手だ。
ソフトバンクの捕手・甲斐拓也は多少他者より打つが、だったら彼を歩かせればいい。指名打者を失くしたせいで、ソフトバンク打線はいっそう「切れ目」がなくなった。
‥それでも太刀打ちできる強打者が巨人に居たなら話は別だが、4戦を眺めていたかぎり、そうは思えなかった。少なくともセ主催試合では投手を打席に置く「普段通り」の野球を貫くべきであったと自分は感じる。
◇育成ド下手
まずは嘆かわしいこのニュースから.......
宮台康平には心底期待していた。先人の東大OBがプロで果たせなかった勝ち星を、彼なら成しえてくれるはずだと。この件にかんしては宮台云々よりも、あらためて球団に怒りを覚えてしまう。
「クビを宣告された男達」番組スタッフも興味津々？
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どちらかといえば話題先行な感もあった遠藤良平や小林至（ともに東大卒）と比べ、大学時代、宮台の球速は優に140は越していたし、まして先発型左腕というのもあって、彼らよりは息の長い活躍ができる‥‥そう信じていた。
それがこのザマである。わずか3年で戦力外。
以前にも書いたが、今回の件で、より球団の「育成下手」が明らかとなった形。たしかに宮台の球速は落ちているし、制球面でも悪化の一途だった。そこには指導法の相違や、指導者そのものとの相性などもあるだろう。
だが、宮台だけにかぎらず、近年の北海道日本ハムにはこうした伸び悩み傾向にある若手選手があまりに多すぎないか。‥もっと、チームの根幹部分を見直していかねば。主力選手の退団が噂されるなか、下からの「突き上げ」もなければ来シーズンの苦戦も目に見えている.......
宮台には何とか育成契約を飲んでもらって、勝手だが、もう少し私どもも彼に夢を見ていたい。《了》
