最近ハマりかけている、テレ東系「孤独のグルメ」。
当初はオジサンが食しているところを観て何が愉しいのだろうと、ある種の嫌悪感すら持っていたのだが、いっぺん見始めたらコレがなかなかに中毒性がある(笑)。主人公(松重豊)の「心の声」はあっても、オーダーをするとき以外の科白がほとんど無いのがいい。だって、タイトルからして「孤独」なのだから。非常に理にかなっている。
孤独なオジサンがグルメを愉しむという観点においては【夜汽車の男】も同一。演じた男は当時50歳の、大杉漣である。
当話が白眉だったのは駅弁ひとつ、その具材にまで掘り下げて物語を完結させてしまった点。ひとりで「乗車」した彼もまた、言葉を発さず、緊迫感をも伴う一喜一憂な心の内を逐一、われわれに呈示してくる。‥冒頭、やたら不気味な雰囲気を漂わせていた男が、このあたりに来るとコミカルかつ彼がどこかチャーミングにも思えてくる。
そして、万人ウケしそうな「あるある」オチで視聴者の心を鷲掴み‥。新手の奇妙だった。
画像はイメージ(C)amazon
グルメ、とはまた違うが「食」にまつわる描写で忘れられない奇妙作品がふたつ。1999年秋【私は、女優】にて、主演の菅野美穂がパンを食っているだけのシーンなのだが、かなり狂気じみている。パンをあんなガリガリと齧る人を観たのは、フィクション・ノンフィクション問わず初めてだ。
もうひとつは片岡鶴太郎が主演を務めた1995年冬【夢のつづき】。皿の上にこんもりと盛られた 大量のミミズの場面は、トラウマ必至。あのシーンはリアル放送から30年近く経った今でも、わりと鮮明に憶えている(すんでのところで手は付けていないのでご安心をw)。
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