新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、当初今月にお目見えする予定だった映画【ザ・スイッチ】が公開延期に.......
この映画、連続殺人鬼と女子高生の心と体が入れ替わる‥‥そう、現在好評を博しているTBS系ドラマ【天国と地獄～サイコな2人～】と似通う作品だ。同時期に日米の「男女スイッチ物語」を拝める機会があったのに惜しい。
ちなみ『史上最悪の入れ替わり』と謳われている【ザ・スイッチ】だが、本当に「史上最悪」と言えるだろうか。私から言わせれば、スイッチする相手がヒトであるだけ、まだマシなように思う。某国民的マンガにおいて、蛙とボディチェンジしてしまった輩も過去にはいたのだから（笑）
前回、古今東西の人格入れ替わり作品について触れた。この事象自体、ある種の「超常現象」なだけに、それらを扱う【世にも奇妙な物語】にも幾つかの入れ替わり作品が存在している。そこで今回記事では筆者の十八番、「奇妙」に特化した入れ替わり作品を、ミニ解説付きでお届けしよう。なお、記事中の「タイプ」とは前回綴ったものを参考にして頂きたい。
◇【ゲームセンターの奇跡】の場合
タイプ：「アイテム」系
少年と老人（演：谷啓）の入れ替わりで、性別はともに男。ゲーセンに置かれていた、とあるマシンでハイスコアをたたき出すと、目の前にいた二人の体が入れ替わる。
これを「悪用」したのは老人の方だ。日頃から口うるさい意地悪な嫁に対し、入れ替わった少年のカラダで凶器を向ける。そのあと老人は元のカラダに戻り、自分は無罪放免‥‥。
と、世にも奇妙らしくなかなかにハードな内容。しかし、老人のカラダになった少年の方も実の母親を階段から突き落としたり、痴漢行為をはたらいたりと、けっこうやりたい放題だった。殺人未遂および強制わいせつの罪に問われる可能性もあり、そうそう喜んでばかりもいられないのだが.........
悪役谷啓！
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◇【ボールペン】の場合
タイプ：「アイテム系」
専用のボールペンで1000回望みを記すと願いが叶う‥‥。互いに想い合う男女がこのボールペンで相手の名前を書き込んでいた結果、スイッチしてしまったという、入れ替わりが「オチ」に使われた、わりと珍しいパターンである。
‥しかしコレ、用途を鵜呑みにするなら「自分の名前」をまた1000回書き込めばおそらく元に戻れるわけで、そこまで絶望する必要はない。むしろ「お気軽」に入れ替われる点では優れたアイテムともいえる（笑）
◇【おばあちゃん】の場合
タイプ：「落雷系」
祖母と孫（♀）。入れ替わり自体は落雷によるものだが、おばあちゃんの意図的。‥天気の子かっ。
当初はおばあちゃんからの申し出を拒否していた孫。だが、入れ替わりを承諾。翌朝には天に召されるであろう祖母の体と交換した、まさに決死の入れ替わりである。
おばあちゃんは、そんな孫娘の厚意を踏みにじった。「元に戻らない」というスイッチドラマ史上最悪なエンディングに、視聴者は戦慄。‥あまりにトラウマすぎて、私なぞ【千と千尋の神隠し】で主人公の声優を担った柊瑠美（孫役）を声を聴くたび、おばあちゃんの記憶が呼び起こされてしまう。
◇【部長OL】の場合
タイプ：「落雷系」
このなかでは、もっともらしいスイッチ劇。中年男性と妙齢女性、今の【天国と地獄～サイコな2人～】のごとく、水と油な入れ替わりがコメディタッチで描かれている。
意外なことに部長（演：伊武雅刀）のカラダになったOLの方が馴染んでいた。特段嫌がっている様子もなく、見事に適応している。一方OL（演：釈由美子）になった部長の方は、社内で女性が置かれている立場や処遇を、文字どおり身をもって実感。案外、社会派？な側面もあった（笑）
番外として、本編以外のショートショートに、老婆とサラリーマンの「年齢」が入れ替わるのもあれば、香川照之主演【マンホール】におかれては、なんとネズミと体を交換するような場面も観られた。
総括すると民放ドラマや映画とは違い、決して良い印象は持てなかった、ｉｎ「世にも奇妙な物語」での人格入れ替わり‥‥。あなたは肯定派？それとも否定派？
