センテンス・オータム

ディープ・マニアック・鋭く「DMS」 様々なアレについて... (シーズン中は野球ネタ多し)

「のじまにあ」だった日々..... PART.4

小室哲哉が音楽活動から引退.....

 

 

週刊誌に掲載された当該記事はまだ読んでいないのだけれども、あらためて行われた引退会見によると、彼は完全に「シロ」である。たしかに疑わしき行動はあったにせよ、小室哲哉を引退にまで追い込んだ、文春の罪は重い。

 

彼の功績は今更語るまでもないし、それは自分より詳しい人(ブロガー・ライター)に任せるとして、私はまた別の側面から。以前、ドラマ【この世の果て】登場していた高村士郎と小室氏の“生き様”が似ていると書いた。演者は三上博史である。

 

 

risingham.hatenadiary.com

 

 

高村はその後、まりあ(演:鈴木保奈美)と結婚したのかどうかは判らない。植物人間と化した彼女を養うために仕事を探し、採用されたところで物語は終わった。世界的に有名だったピアニストの哀れな末路‥。それまでの「贖罪」として、まりあに一生添い続けていたのだと思いたい。‥小室氏の話を訊いていると、現実は、なかなかそうもいかないみたいだが。

 

 

「革ジャン」がトレードマークだったが、過去には.....

夏物語 WIND MEMORY [Laser Disc]

 

 

しかしながら当ドラマは野島脚本ドラマにおいても、屈指の「トラウマ度」を誇る。まりあが意志や記憶を失くしたのは、高度のあるヘリからの飛び降り。結婚式の当日‥それも夫の目の前でだ。

ある視点からみれば、その夫・神谷征司(演:豊川悦司)がもっとも可哀想な登場人物だった。けっきょく、高村からまりあの心は奪えなかった‥。権力と、いくら金があっても、まりあの心だけは、どうしても。‥彼は立ち直れないほどの深い傷を、心に負ったにちがいない。

 

印象的なシーンがある。士郎とまりあが同棲を初めて間もなくの頃。大ゲンカをして、士郎が部屋を出て行った。しばらくして、彼の後を追うまりあ。しかし、その姿はどこにもない。諦めて部屋に帰ろうとすると、マンションの入り口で士郎がうずくまっている。『俺にはどこにも行くところがない』と。いつまでも過去の栄光が捨てられないそんな哀れな彼を、包み込むように優しく抱きしめる‥‥まりあが“マリア”に見えた、あのシーンが好きだった。

 

終わってみて気づいたのは、登場人物たちの「運命」が歪に交錯していたこと。植物人間になったまりあは、眼医者の妻と。顔に硫酸をかけられ、大やけどを負った加賀美ルミは、幼いときから顔に大きなアザがある三島純と。ルミの相棒で、自らの目を潰した井野は、火事で視力を失った砂田ななと。こういった具合に。

 

最終的に幸福なカタチを迎えることができたのは、将来の結婚を誓い合った砂田ななと三島純だけ。士郎もまた、紆余曲折を経て、再びまりあと暮らし始めることができたのだから、少なくとも彼にとっては幸せだったのかもしれない。残りの人間がたどり着いた先は皆、【この世の果て】のように寒々しく荒廃した世界である。

 

 

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