いよいよ今週から交流戦が開幕する――
パ・リーグ寄りの人間から見てセは、「特A級」の選手が満遍なく散らばっている印象。昨年から引き続き、本塁打王争いをしている巨人の岡本和真、東京ヤクルトの村上宗隆しかり。
パにも山川だったり柳田であったり、そういった選手もいるにはいるが、彼らはともに30歳を過ぎており、これから全盛期を迎えるような選手だとはいいがたい。セのようにまだ20代半ばまでの、伸び盛りな選手が主軸を張っているパ・チームは皆無だ。
なかでも目を見張るのが、横浜DeNAの牧秀悟。今季から4番を任されている2年目の選手が23日現在で打率.336、ホームランがすでに10本。2年目のジンクスどころか、(新人特別賞を受賞した)昨年の成績をも上回りそうな勢いである。
筆者も驚きを隠せない。これほどの選手がドラフト2巡目の、半ばまで残っていたとは‥。ウェーバーで指名優先権のあったハムも、もちろん獲ろうと思えば獲れた。DeNAにとってはさぞ会心のドラフトであったにちがいない。
この牧を擁するDeNAと直近の3シーズンでみれば2勝7敗と、実、ハムにとってセ・チームのなかでいちばん分が悪い相手。ただ、うち2シーズンは敵地・横浜スタジアムでのもので、札幌開催の昨年は1勝2敗。今年も同カードは札幌ドームで組まれている。横浜高卒の選手が多いことで知られるハム。‥逆に向こうのスカウトやファンを悔しがらせるくらいの活躍をみせたいところだ。
ハマ高卒といえば、目下売り出し中の万波中正もそう。いまファンの間でひそかに注目されている記録がある.......
好調を持続。22日もスタメン起用してほしかった?
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同日現在、打率.222。これでもだいぶ上げてきた方なのだけれど、気になるのは出塁率。この出塁率も変わらずの.222。‥つまり、まだひとつも四死球がないのである。37試合に出場し、108打席に立っているのにもかかわらず。
こんな選手は万波だけである。参考までにチームでいちばん四死球を選んでいるのが、清宮幸太郎の16。このおかげで彼の出塁率は.327まで跳ね上がる(AV.209)。積極的にファースト・ストライクの打ちにいくのがBIGBOSSの指針とはいえ、いささか損をしている気がしないでもない。もう少しボール球を見極められれば、打率もあがり、オフに自身の年俸だって上がるのだから。
しかし、ここまで極端なのも珍しく、いっそ「四球ゼロ」がどこまで続いていくのか、そちらの方が気になってきた(笑)。‥よくよく考えてみたらスケールの大きい万波に打率がどうのとか、細かいことを求めてはいけない。「らしさ」が失われてしまうのが今、いちばん怖いことだ。
本人も多少その自覚はあるのか、週末の対埼玉西武との三連戦においては、打席での粘りや広角に打ち分ける打撃も光った。たしかに打って率を稼げたなら、それに越したことはない。
引きつづき、万波のバッティングに注目だ。