今更感アリアリだが、暮れの東山、戦力外通告を視た....
TBSとプロ野球は、わりと相性が良いようだ。つくる、携わる番組に大抵ハズレがない。とりわけ視聴者人気も高い同番組。「12球団合同トライアウト」が昨今、異常なまでに注目を集めるようになったのも、ほとんどこの番組のおかげといっていい。
今年も巨人の高橋洸、実松一成、楽天の片山博視と‥プロ野球ファンとて馴染みがあるとは言い難い、地味系ラインナップ。しかし、あえて有名選手を取り上げないところが、人気の要因のひとつであるのかもしれない。個人的には、どこの局だったか忘れたけれど、千葉ロッテ・田中英祐の特集がツボすぎた。
例年とちがったのは、上記3選手は“とりあえず”次の行き先が決まったこと。しかも、三者が野球を続けられるのだから、これ以上ない結果といっていいのではないか。もっとも社会人入りが決まった高橋は、若干不満そうだったけれど。
彼もまた解りやすい。嫁が出産して、家族が増えた。岐路に立つ夫。現役続行か、家族のための“安定”か‥‥。同番組には“うってつけ”な人材といえる。社会人経験を積んだ?年上の奥さんを選んだのは、これまで野球しかしてこなかった高橋にとって、救い。ちょっとケバかったが。
一方、絵に描いたような、幸せな家庭をすでに手に入れていたのは實松。見るからに「良妻賢母」といった態の奥様は元バスガイドらしく、鎌ヶ谷にいた下積み時代から彼を支えてきた模様。‥Fsファンの筆者は、一気に親近感を持った。
實松家で鍵を握っていたのは、一成によく似た長男。ポイントポイントで、彼の発言がフォーカスされる。父ちゃんがプロ野球選手でいてくれるのは、やはり嬉しいのだろうが、正直なところ、どうだったのか。
現在12歳という長男は、ちょうど12年前、ファイターズに在籍していた頃の一成を知らないわけで、当然、巨人ファンだろう‥。そこに自由契約されてしまったのだから仕方ないが、本音とすれば、気軽に応援行けるチームを望んでいたのではないか。
あの豪邸は、おそらく都内。まだ学校に通う幼い子供もいて、夫とともに一家で北海道へ渡るわけにはいかない。家のローンの問題だってある。したがって、父ちゃんは単身赴任‥。シーズン中は、ほとんど会うことも叶わない。北海道にフランチャイズを置く球団の、少々後ろめたくて、選手にとっては悩ましき問題だ。
はたして、息子にそこまでの知識があるかどうかは解らないけれど、これから起きる“現実”に直面して『やっぱり、ジャイアンツにいた頃のパパが良かったなぁ』 なんてコトにならないか、いささか心配である。他人事ながら。
‥しかし、筆者が實松の立場になって考えて、仮に北海道日本ハムと埼玉西武の両球団から声がかかったら、後者を選ぶ。家族といられる時間は増え(巨人時代と変わらず)、引っ越しを要さなくていいのは大きな魅力だ。
‥實松はコーチ兼任の肩書がつくから、北海道に住居を構えるのは間違いない。たとえ、家族と一緒にいられるからといって、二軍施設のある千葉の鎌ヶ谷通いをしているようでは、かえって息子さんはパパの自慢ができない。もう、やるっきゃない。
それにしてもサネ、東京いって出世したなぁ
ずいぶんとイイ車乗ってたやんか(笑)
結婚をし、家族がいれば支えにもなってくれる。単身者にそれはないけれど、半面、『自由自在に身動きが取れる』というメリットがある。最後に取り上げられた楽天の片山は離婚して、現在は独り身でいるらしい。
シティホテルでカップ麺をすすっている姿は、演出にしても痛々しく映った。彼のようなシチュエーションに置かれた選手をこの番組で視るのは、おそらく初めてだ。ゆえにリアルで、新鮮にも感じた。
今回選ばれた3選手の中で、片山はもっとも実績を残している選手。筆者も昔から知っていたが、かなりの苦労人。ケガによって野手に転向していた時期もある。悩んでいるときに、隣に家族の存在がなかったのは辛かったろう。
しかし「野球選手好きの女子」というのは世の中に山ほどいて、片山さえ望めば、いつでも再婚することはできるだろう。婚活パーティーの場に行けばモテモテだ。‥たぶん。
次の就職先は見つかった。あとはいい嫁さんみつけて、できるだけ長く野球選手でいてくれることを願う。‥って、俺は町内のお節介ジジイかw