今年もTBS系【プロ野球戦力外通告・クビを宣告された男達】が29日23時10分から送られる模様――
一足早く【バース・デイ】内でプロ野球復帰を目論む「新庄剛志編」があった。
この番組、野球選手を取り上げる機会も多いが、比較的新しいものとしては、松永浩美の回は忘れがたい。還暦を前に4人目の子供を授かったとか、ユーチューバーに転身しただとか‥。「反社」の方ともトラブったという波乱万丈な自伝も現在、スポニチにて絶賛執筆中。
話を【戦力外通告】に戻す。
以前から同番組を自分なりに分析してきたが、ここ5年をみてもNPB球団と再契約を果たせたのは、巨人の實松のみ(→北海道日本ハム)。今まで以上に、戦力外選手たちを取り巻く環境は厳しくなってきている。
2019年に現役引退
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近年目立つのは、独立リーグの球団に所属している選手が取材対象となるケース。最後まで夢を追い続ける夫を陰日向で支える新妻(or婚約者)‥‥的な、たしかに「ドラマ」になりやすい要素は併せ持つけれども、直前までNPBにいた選手ですら見向きもされないのがほとんどなのだから、状況とすればこちらは更に苦しい。
今回にかんしては、誰がエントリーされるのか‥。番組を盛り上げるためには、その「人選」が重要な鍵となる。
ペナントレースの閉幕から選手整理、トライアウトに至るまで、例年よりだいぶ間隔も短かったことから、今年は制作側も急ピッチに仕上げたはず。人選にさほど頭を悩ませている時間と余裕がなかったとあれば、前日本ハム・宮台康平あたり「ターゲット」にされた可能性は十分にある。
何より「東大卒」という、現役選手では唯一無二の珍しい球歴。飽くまで野球、プレーヤーとして野球界にしがみ付いていこうとする強い志‥。これこそが番組が長年、追い求めてきたものなのではないか。ドラマ性は申し分ない。
そして周知のとおり、彼はトライアウトを経て東京ヤクルトと無事、支配下契約。‥つまり、最近少なかったハッピーエンディングが保証される(笑)。もし万が一、この「逸材」を逃していたとすれば番組側の大失態だ(本人が取材NGとでもしなかったかぎり)。
ドラマチックさをより求めるなら、スポーツ界あるある演出。THE 光と影のコントラスト。
たとえば元ドライチ選手などは格好の「題材」となり得る。この枠に当てはめるなら、前楽天の由規。彼はかつて甲子園とドラフト会議を沸かせた希少な経歴の持ち主。近藤弘樹(前楽天)、白崎浩之(前オリックス)、内竜也(前千葉ロッテ)らも候補。(※他にも鍛冶屋蓮、山下斐紹など「元ドライチ」枠は熾烈!)
ドライチではないが人気球団に籍を置いていた点で知名度も高い前巨人の宮国椋丞、前中日の伊藤準規。とりわけ後者は落合政権時代に入団。そのときにエースナンバー「18」を与えられている。番組が欲する「天国と地獄」のニーズにも一致する。
ただ油断ならないのは、トライアウトを受験しなかった者も選出される可能性があるということ。番組の演出上トライアウト参加は必須かと思われるが、たとえば先の實松一成などはスルーしている。したがって必ずしも受験者の中から、取材対象が選ばれるともかぎらない‥。
年末、悲壮感たっぷりの「東山紀之ボイス」に乗せて送られるのは、はたしてどの「男達」か。本放送を楽しみに待ちたい《了》