昨年度パシフィックリーグ新人王に輝いた、源田壮亮.....
遊撃守備にかんしては、社会人時代から定評があったらしいけれど、打撃もあそこまでやるとは思わなかった。打率.270の3本塁打、57打点。新人にしては上出来である。ファイターズの正遊撃手・中島卓も、せめて通年これくらい打ってくれたら‥と、つい私情も入ってしまう。
数々あったであろう源田の「好プレー」をすべて観てきたわけではないが、一番は、彼の「登場曲」ではなかったか。レミオロメンの【もっと遠くへ】。
‥この曲が本当にいい。個人的にしばらく日本の音楽から遠ざかっていたのもあって、当初誰の曲なのかさえも判らなかったのだが、もはや『=ゲンダ』となった同曲のサビ部分を聴くたび、私は彼らの虜となった。なんといっても歌詞がすばらしい。前述の中島‥‥登場曲に西野カナなんかセレクトしている場合ではない。
同名タイトルの著が、王貞治氏にある。レミオを意識してかそうでないかは不明。一昨年に薬物使用で逮捕された清原和博が、この本を獄中で読んでいたらしい。そうしたことも綴られた、その名もスバリ【告白】と題された連載が、とある雑誌に掲載されている。
なかでも巨人時代の苦悩が目を引く。大差がついている試合では集中できない‥‥俺は王さんや長嶋(茂雄)さんのようにはなれなかった‥‥等々、恨み、嘆き節が延々続くのをみるたび、つくづく“弱い男だったんなぁと思う。
‥いわれてみると、三冠ペースで突き進んでいた1990年。終盤に急失速して、けっきょくタイトルをひとつも取れなかった。当時のライオンズは早々と優勝を決めていたのもあって、消化試合では“集中”できなかった‥ということなのだろう。その点、いかなる状況においても集中力を持続できていた松井秀喜との違いがそこにある‥そう自己分析していたが、本当にそこだけだろうか。
連載をまとめたものがいずれ本になるだろうから、彼をよく知る野球ファン方は確認してみてほしい。
先のレミオ【もっと遠くへ】の歌詞の一部分.....
何度だってやり直せる
だけど 今は二度とこない
心の奥の手つかずの場所
踏み込めば痛くて涙も落ちるけど 進んでいくのさ
時代のせいや 誰かのせいにするくらいなら
もう一度夢を描けるはずさ
まるで今の清原への「応援歌」のようでもある。王氏の本もいいが、レミオロメンの歌の方も、彼にはぜひ一度、聴いていただきたい。