なにかモヤモヤとした思いをさせられたファンも多いのではないか.......
巨人に渡った中田翔が1号、東北楽天の西川遥輝が3打点、東京ヤクルトの高梨裕稔が6回無失点の好投で今季初勝利、横浜DeNAのエドウィン・エスコバーがホールドをあげたその日、北海道日本ハムは敵地で開幕3連敗となった。
なんたる醜態だろう。それぞれ移籍の経緯は異なれど、半ばハムを追い出された形の選手たちが他球団で活躍をする(こちらへの見返りは実質高梨と交換した秋吉と谷内くらいで、前者はもう居ない)。‥別にワシだって彼らの活躍を願ってないわけではないが、こうチームに黒星が続くと球団に対して、恨み節のひとつやふたつ口にもしたくなってくる。
連敗は更に継続。30日時点で「5」までに延びた。ネット上では案の定、BIGBOSS采配を揶揄しだす記事が続出。そうした記事の執筆者方に、一言いっておきたいことがある。それはBIGBOSSの責任ではないということだ。8割以上が球団の責任――
「損」ばかりが目立つ、上記、主力選手の放出および選手交換もそうなのだが、昨秋開催のドラフト会議がもっとも判りやすい。北海道日本ハムは、高校生を上位2枠を使って指名した。
誤解のないよう記しておけば、そのこと自体を否定しているのではない。ただ、少なくとも来季(2022年)は勝つ気がないんだろうなと。たしか会議直後にも書いたと思うが、率直にそう感じた。
甲子園で名を馳せた1位・達孝太はまだしも、「知る人ぞ知る」な、全国的な知名度はそこまでなかった高校生を2位で指名した。有薗直輝。ファーム開幕戦で本塁打デビューを飾ったように、素材が一級品であるのは誰もが認めるところ。しかし「即戦力」といったふうではなく、球団としても(新球場がオープンする)おそらく2、3年後を見据えた指名であったのだろう。その時点で、すでに2022年は勝つ気がなかったのである。
ちなみに会議時点でリーグ最下位に沈んでいたハムには2巡目以降の指名優先権があり、獲ろうと思えば、先日のハム戦でプロ初勝利をあげた佐藤隼輔(筑波大)や中日入りした強打者・鵜飼航丞(駒大)も指名可能だった。いったん「将来性」などを度外視し、翌年にマジで勝とうと思っていたなら彼らの指名も考えられた。
‥念のため、ドラフト時点でBIGBOSSはまだ監督に就任していない。自身の意向は何ら反映されず、そうした若い選手をいきなり預けられて一年目から「勝て」というのも、なかなか難しい話だ。したがって、勝てない時期が今後続いたとしても、それはBIGBOSSひとりの責任ではないのである。
セレモニーでは宙に浮いた
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◇開幕連敗にふれて
プロ野球の開幕連敗記録は「12」。まだまだ先はある(笑)。ハムにかんしていえば開幕の5連敗は1997年以来、25年ぶりなのだとか。
同年は、けっこう印象に残っている。なにせ三顧の礼で「大物」落合博満を巨人から迎え入れた年‥。優勝予想にあげる評論家も多くいたが、出だしからつまづいた。
けっきょく連敗は「6」まで延びる。おもしろかったのはカードが一巡したあたりからチーム状態が上がり始め、今度は逆に7連勝。その結果、なにが起こったかというとリーグ10敗に一番乗りしておきながら10勝も一番乗り‥‥そんな世にも奇妙な事態が発生したのである。
一度歯車が噛み合えばこういうコトだって起こりうる。だから、まだ諦める必要はない。100敗もしない(笑)。ちなみに、6連敗スタートの同年の最終順位は 4位だった。