「大物」外国人には、苦い思い出がある‥‥という12球団のファン方は多いのではないか。
メジャーでの実績、破格な年俸が必ずしもNPBでの成績に結びつかない事例は大昔からある。筆者が幼かった頃は巨人戦のテレビ中継しかなかった故、よく観ていたジャイアンツの助っ人になぞらえると、J.バーフィールド、S.マックなんてのは、それこそ現役バリバリといった体で入団してきたクチだが、日本で残した数字は、せいぜい「並」がいいところだろう。ところが、昨年ベイスターズに入団し「サイヤング賞投手」が触れ込みだったT.バウアーは、初年度からいきなり二桁の勝ち星をあげている。このような「大物」外国人選手のほうが希少だ。
例外なく、日ハムも同様な痛い思いはしていて、1992年に入団したM.マーシャル。ドジャースなどで活躍した大砲で、MLB通算148発は、今季加入したF.レイエスのそれをはるかに上回る。当然、球団側もその実績に見合う年俸(1億9500万 当時の新聞発表)を払ったのだが、終わってみれば67試合の出場で9本放っただけ‥。わずか一年でお払い箱となった。ちなみにアメリカにいた頃から彼を「トラブルメーカー」と評する向きの記事を何度か見かけた。むろん、試合を観ている眺めているだけの自分はちっともそんなふうには感じなかったが(非常におとなしそうな風貌をしていた)、後にあげられていたYouTube動画でハム時代の同僚・M.ウインタースが相当嫌っていたというのを見かけたから、多少、人間性の部分で問題があったのは確かなのだろう(笑)
マーシャルのこともあって「大物」外国人に、いささか不信感をいだくようになったのは事実だ。近年でも、2022年入団のJ・ガント。年俸2億4000万の厚待遇で迎えたこの助っ投は、なんと都合2シーズンで一軍戦に1試合たりとも登板せず、帰国しやがった(呆笑)
新庄政権一年目にあたる同年は、新外国人獲得にこれでもかとカネをかけた。先述ガントを皮切りに、R.ヌ二エスに1億8000万、C.ポンセに1億、A.アルカンタラ6000万。年俸がより高いほうがポンコツの皮肉w ただポンセとて、無安打無得点試合を達成したとはいえ、3勝(5敗)止まり。アルカンタラも14本塁打28打点‥。この程度の成績なら、ある程度の国産選手でも残せてしまいそうな気がするのは、自分だけか(笑)
そして2024年シーズン。異例の外国人「8人体制」で臨むという。カネのかけ具合は2年前と同等かそれ以上で、レイエスが1億プラス出来高(新聞報道)、スティーブンソンとザバラがともに1.1億、マーフィーが1.2億(※1週刊ベースボール調べ)。調べたところ、投手のザバラとマーフィーはメジャー通算0勝なのだが、今は「大物」とまでは呼べないこのクラスの投手でも、億単位のカネを支払わなければ獲れないのか‥。いやはや。
そこへ突如、舞い込んできた ドリュー・バ―ヘイゲン復帰の報。12日は上沢直之のアメリカ球団行きも決まって「日本ハム」のワードがトレンド入り。上沢退団のショックが消し飛ぶサプライズに、ハムファンたちが沸いた?
本当にまさか、である。彼の豪球は瞼に焼き付いていて、忘れもしない対オリックス戦で魅せた完封劇‥。150キロ台半ばのストレートとスローカーブのコンビネーション冴えわたり、猛牛打線を手玉にとった。あれほど完璧すぎる、まったく点を取られそうにない投球を観たのはダルビッシュ、大谷失きあと初めてだったような気がする(くだりポンセは味方の好守とラッキーな面もあった)。
まさしく、こういう補強を待っていた。昨季までバリバリMLBで投げていて、決して成績が落ちぶれていたわけでもない。なにより、日本球界での「経験」があるのが大きい。そこいらの新外国人とちがって計算ができる。その期待値が年俸の高さにも表れている。
これで助っ人補強は完了‥。あと、余剰ポジションの絡みで1、2件トレードがあるだろうか‥。今年に入って立て続けにきた、ネームバリューのあるレイエスとバ―ヘイゲン獲得は、さすがに筆者も、今季に向けた球団の本気度を讃えなければならない(笑)。外国人枠のことやポジション争い、チームの懐事情も含め、まだまだ語りたいことは山ほどあるが、高ぶる気持ちとは裏腹に少々文字入力に疲れてきたので今回はここまででw
《参考》
(※1)週刊ベースボール 2024年 01/22号 [雑誌]