ちょっと確認したいことがあり、中山美穂が過去に出演したドラマを視ている。これについてはまたあらためて触れたいと思うが、なぜだか今はとても彼女が気になって仕方がない。
マルチな活躍をしているの星野源。ひょっとしたら、彼女は彼の「女版」なのではないか‥と。いや、歌手がドラマに出演して、いっとき女優になること自体はよくあるけれど、ミポリンの場合はどれも主演クラス‥。唄っても、ヒット曲を連発してしまうのである。華原朋美や島谷ひとみとは、スケールの大きさがちがう。さらに、小説までも執筆しているとくれば、これはもう星野源の上を行っているといっても、過言ではない。
‥おもえば、私をミポリンに向かわせる伏線が昨年にあった。下記リンクのムックに遠い昔のスキャンダラスな記事が載っていた。なんでも当時の大スター、T原T彦に熱を上げていた彼女は、その愛を終わらせないため、記者も巻き込んだ「ねつ造」記事づくりに買って出たというもの。
ほどなくして二人は別れたが、皮肉なものである。彼の方は坂道を転げ落ちるようにして人気は急落。一方の彼女は芸能界で一層、はばたき始めた。歌にドラマに大活躍のスーパー女優・ミポリンの誕生である。
筆者が青春期の頃はすでにアイドルから脱皮し、歌の方でも艶やかな女らしさを醸し出していた。【世界中の誰よりきっと】はダブルミリオン手前。一緒に唄ったWANDSというバンドをこのとき初めて知った視聴者も、おそらく多かったのではないか。
ミポリンが主演と主題歌【HERO】を唄った、1995年放映のドラマ【ForYou】。戦後50年目となったこの年は、日本列島が揺れに揺れた。1月に阪神大震災、3月には地下鉄サリン事件‥‥。
連続ドラマでいう1月~3月期のクールに、本作品はすっぽりとハマってしまった。放送から一週間後に震災が起き、最終回の3月20日は、事件のまさにその日である。
‥こうした良くない条件が重なったにも拘わらず、最終回も視聴率は20パーセントを超え、平均でも20を上回った。あの暗かったときの日本にあって、大衆に元気を与え続けていた中山嬢。彼女こそ、まさしくヒーローだった。