遅まきながら、まずこの番組の感想を述べてみたい。少し前の放送なので若干記憶は、うろ覚えだが、了承のほど。
案の定、“気持ちの良い”終わり方ではなかった。取材対象者3名中、ひとりもNPB復帰は果たせず。‥‥まぁ前ヤクルト・古野正人にかんしては「打撃投手」採用でも本人が喜んでいたのだからいい。社会人チームからのオファーを蹴ったのは、傍からはもったいない気もしたけれど、32歳‥‥。現実をみたのだろう。
元オリックスの左腕・塚田貴之は、本人も、家族も、そして視聴者も‥‥もう(トライアウトの)合否が判りきっていた中で、その後の結末を見守った珍しいパターン。最後に投じた大暴投と、これまでとは意味合いのちがったフィアンセの涙‥‥。
独立リーグでの薄給ぶりといい、夢追い人のカレを養うために、彼女が清掃会社の正社員を目指していたという、いつになく悲哀の物語。ラスト『あと一年、しっかり支えていくから』彼女の言葉が胸に染み入った。
番組史上、久々の“有名人”といっても過言ではないだろう。それなりに実績を残している、ソフトBの城所龍磨。今オフ、とりわけ同チームからの“大リストラ”ぶりが話題を呼んだが、トライアウトを受験していない寺原や五十嵐が他球団と晴れて契約を結び、トライアウトを受け、期限ギリギリまでオファーを待った城所が、現役引退を余儀なくされてしまう皮肉‥。
飲み会で同僚の柳田らが『日本一』と評した守備力を持つ、城所クラスの選手であっても一切声がかからないとは‥。昨今のトライアウト事情は、実に厳しい。
ただ、守備がよく、そこそこ走力もあって“左打ち” ‥そうした、平成野球において、もっとも好まれやすかった選手は今、どこのチームも飽和状態にある。その点、まったくタイプの異なる前巨人・中井大介が真っ先に声がかけられたというのも頷ける。
城所は残り数少ない「ダイエー戦士」の一人でもあった。このような選手が平成の終わりとともにいなくなってしまうのは、寂しい。
◇夢対決!とんねるずのスポーツ王は誰だ!SP【リアル野球BAN】
とんねるずが『つまらなくなった』とディスられるようになってずいぶん経つけれども、観たら観たでわりと面白い。まぁまぁ笑える。
いや、もしかしたら『この番組だから』なのかもしれない。なにせ御年50を過ぎて尚も“現役”。しかも、一流のアスリートたちと(一応の)真剣勝負を繰り広げる。‥まぁたしかに【生ダラ】時代から、スポーツ界にも多くの人脈を持つ強みを活かしたそのスタイルこそが、彼らのウリの一つでもあったわけだが。
せっかくだから今記事では「野球縛り」でいこう。
リアル野球BAN。石橋ジャパンが最強サムライジャパンを迎え撃つ。‥エアコンを稼働させた東京ドーム貸し切りでも『今ノリに乗っているテレ朝ならゼンゼン余裕だろう¥』とか『ヒロドアナは選手に口説かれているのか♪』だなんて、いつもズレたことを考えている、屈折したプロ野球好き筆者。
NPB軍団の猛打も、今年は凄かった。無観客のドームに響き渡る乾いた打球音。山川穂高のグングン伸びるあの弾道に、昨シーズン幾度痛い目に遭わされただろう(※筆者はFファン)。年俸面では明らかに見劣りする甲斐拓也がバットでも魅せたり、はやくも戦々恐々である。
サムライ‥ではなく、石橋JAPANに加わったのは2年ぶりの番組登場。現役選手の杉谷拳士は、お約束だ。こんな番組に出ているのに、昨年末の好珍プレー集(フジ系)でもさんざんイジってもらえたのに、いまひとつ“全国区”になりきれていない気がするのは、私だけか。「便利屋」に甘んじることなく、今年は本業の方でも目立っていただきたい(でもちゃっかりMVPを獲得するあたりは、やはりこの男持っている)。
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