放送当日の読売新聞、テレビ欄「試写室」にて、秋の特別編がピックアップされていた。そこでは、やたらベタ褒めだったのだけれど、新聞なんてどこもそんなものか。
ある程度、事前の告知によって予想ができていたとはいえ、怖くもなく、面白くもなく‥観るに堪えない4作品であった。
内訳は大物(大作)3作品に、おまけ程度なショートクラスの小物がひとつ。‥夏といい、今後はどうやらこのサイクルで送られる模様。大物ならば、視聴者は余裕で30分程度も付き合わされる。それが今一つであれば、少なくとも奇妙支持者たちにとっては「苦行」以外の何物でもない。
特に【タテモトマサコ】 ひどかった。先の読売も然り、おそらくあのような作品を「にわか」は賞賛するのだろう。やれ大竹しのぶの演技が上手かった、無口怖すぎw だのなんのって。‥私から言わせれば無理やり「引き延ばした感」がハンパなく、だんだん弛緩になった。
あとでも登場する、物事が『言ったとおりになる』とか、発想があまりに安易だろう。ここでは「言霊」などと、いかにもソレっぽく言われていたが。自分の過去を知られてしまったから記憶を消す、人間を消す‥‥もっと他にもやり方はあっただろう。そんな能力があったら。大概にせえほんまに(笑)
大竹氏の演技は迫真。彼女独特の口調と、たしかに演技がうますぎてか?モノホンな異常者のように見えてきて、それはそれで怖かったけれども、だが世にも奇妙の舞台を「しのぶ劇場」にさせてはいけない.......
望み通り、言った通りの美女プラスαが次々飛び出す‥‥濱田岳【コインランドリー】。
話題づくりなのか何なのか、あの清掃員の役は別に、コロッケ氏でなくてもいいように感じたが(笑)。特段キャラをつくっていたわけでもなく、どうせなら、もっと「見せ場」のある役をやらせてあげたかった。
伏線らしきものはなく、何事も唐突に。終盤になってドドドっと物語が動き出す。そもそも、その「ルール」が主人公以外にも適用するとは‥。いつも肝心な事柄には触れないコロッケに、濱田君からしたらまったくもって『聞いてないよ!』の気分だろう。この点、ラストの彼には甚く同情したひ。
‥にしても、あんなカラクリ箱を頼らなくとも、一応リアルに存在していた近藤亜美役の岡崎紗絵。たくさんの女の子が作中に出てきたが、(当然のことながら)彼女がいちばん可愛かったではないか。‥乙女心に鈍感どころか目も悪かったのか、あのエロ主人公は。
画像はイメージ。本作品とは関係がない
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夏と秋にまたがり、身内で「競演」したのは広瀬アリス、すず姉妹。今回は妹が【イマジナリーフレンド】なる作品に出演をはたした。
ダメな母親に、意地悪な同級生(ボス+子分)。幼馴染でちょっと内気な女の子と、主人公に急接近する男(イケメン)‥‥。さながら、世にも奇妙を彩ってきた「鉄板」キャラクターたちが勢揃い(笑)
このうち、過去作の傾向から男の正体は何となく察しが付いた。が、さすがにイマジナリーフレンドのウサギのぬいぐるみ 「ユキちゃん」の正体がアレだったとは、予想外(アレがいたなんて、ぜんぜん聴いてなかったし)。
まぁおかげでハートウォーミングな物語に俄然成り上がったわけだけれども、少し「キレイ」すぎてつまらな‥もとい、物足りなかった。もう一段、さらなる何某のオチをつけられれば尚よかったが、自分大好きそうな広瀬すずがそれを許さなかったのか。
‥ていうか、すずみたいな若いコならまだしも、もうオジサンの筆者に「ユキちゃん」などと言わせないでほしい草
小物の【アップデート家族】は、完全にネタに走った作品。ちなみに自分はクスリともしなかった。あの手の、あからさまにウケを狙ってきている作品ほど、よけい冷めた目で見てしまう‥制作者泣かせな男がここにいる(苦笑)
全体的には残念ながら、最低の【E】評価。突出した作品もなかった。次の特別編がどの季節に放送されるの分からないが、世にも奇妙自体の、それこそより良いアップデートを次回に期待したい《了》