マーティンもダメ‥増井もダメ‥‥
いったい、抑えを誰にすりゃあいいんだ。
スタンドを埋めた満員のファンには辛すぎる試合となった「WE LOVE HOKKAIDOシリーズ」初戦。先発・有原航平が好投し、打線も小刻みに得点を重ね、終盤まで絵に描いたような“勝ちゲーム”だったが、救援陣2人が打ち込まれて、惜しい試合を落とした。
完全に勢いづいてしまったソフト打線。結果、敗戦投手となった井口は責めることができない。やはり“勝ちゲーム”用として投入された、冒頭2投手に問題があっただろう。
150キロを超す速球を持ちながら、わりかし長打をくらう傾向にあるマーティン。開幕してまだ一か月とはいえ、防御率が7点台の守護神‥。セーブ失敗が、今期はあまりにも多い。
現状、抑えは増井しかいないと、私でも思っているが、これ以上試合を壊されては困る。彼が本来の調子を取り戻すまで、場合によっては配置転換も必要となるのではないか。
そうなると「代役」に頭を悩ませてしまう。谷元は、ロングもできる貴重なセットアッパーとして置いておきたい。若干持て余し気味にある高梨、榎下にしても、経験不足の彼らに最後を任せるのは、少々怖い気がする。
チームがピンチの今こそ、私は武田久の力を借りるのがいいのではないかと‥。
すぐにでも、二軍から引き上げるべきだ。二軍戦(4/30 vs埼玉西武)で久々に武田の様子を見たが、だいぶ復調気配にあると感じた。球自体は悪くない。
何より彼には、通算167セーブ(107ホールド)、得難い経験がある。‥百歩譲って、クローザーでないにしても、一軍戦力としてチームを救っていただきたい。
しかし、筆者を本当の意味で困らせているのは救援陣ではなく、むしろ野手陣の方だ。
故障が癒え、一軍にあがった淺間大基。‥‥これ以上どうすればいいのだろう。
というのも、淺間がレギュラーに定着しようものなら、陽岱鋼はどこを守るのか?仮に陽が中堅に入って、淺間がレフトを守り、近藤がライトにいたら、今度は西川が浮く。打撃不振だが、守備力、機動力を考慮したら、西川も外しがたい存在だ。
こうなれば、ここまで奮闘してきた谷口雄也の出番は、ますます減り、現在は故障で離脱中の岡大海や杉谷拳士の立ち入る隙すら、なくなってしまう。
杉谷なら守備、岡なら脚力、谷口ならシュアな打撃と、「一芸」に秀でた彼らであるが、よく考えてほしい‥。淺間が確固なレギュラーとなれば、今の打順・面子からして、代打や代走を出す機会も、ほとんどといっていいほど必要なくなるのだ。
‥せいぜいレアードのところの代走(飯山が復帰したら、いずれこの枠も消滅か)、捕手の打順で代打。あと、ベテラン・田中賢介のお役御免枠?
レギュラー争いが激化するのは、ファンとて喜ばしいかぎりだが、これはこれで悩ましい。淺間の台頭によって誰をどのように配し、機能させればベストなのか、監督の腕の見せ所である。おそらく、たしかな“答え”なんて、見つからないんだろうが。