下記の、いかにも野球の成績らしい数字‥。これが何かお分かりいただけるだろうか。
126勝165敗9S
‥少々マニアックなので、もし分かった人がいたら、あなたは相当なツウであると自認していい。
正解は、1985年から昨年までの30年間の間で、背番号「18」をつけた、複数のファイターズ投手たちの合算成績である。
負け越しの数、実に39‥‥。平成初期の頃の“暗黒”な時代を考慮しても「エイティーンズ」の苦闘ぶりがうかがえる。この辺りが、ファイターズ球団にかぎっては決してエースナンバーとは呼べない所以だろう。
件の成績の大部分に関わっていたのが、今ではメディアですっかり「巨人OB」扱いとされている河野博文と、ガンちゃんこと岩本勉だ。※河野1985-1995 岩本1996-2005 藤井秀吾2008-2009 斎藤佑樹2010-
入団時から「18」を与えられ、Fs在籍時から大それたコトを口にしていなかった河野サンは、別にいい。同番号を自ら望んでつけ、方々から「エース」などと持ち上げられていた岩本勉を、私はどうかと思うのだ。悪いが、彼をチームのエースなんて思ったことは、一度もない...
在籍中、とりわけ東京本拠地時代はどちらかといえば地味なチームであったし、全国区のスター選手も、さしていなかった。そんな中で『まいど』のマイクパフォーマンスを繰り広げる彼は、たしかに目立ってもいたし、“一応”ローテーション投手の一人であったから「エース」もどきな扱いを受けていた‥‥。ただ、それだけであったと感じる。
開幕戦で完封したり、なんとなく大舞台に強いようなイメージもあるが、とんでもない。優勝争いをしている最中の『ここぞ!』の、しびれる局面での先発を託され、めった打ちを食らう彼の姿を何度見てきたことか‥。まがりなりにも“エース”が早期にKOされる醜態をみせられ、当時の大島監督を激怒させたのは有名な話だ。
以前シミズ〇クトでバイトしていた際(今年から制服変わった?)、知り合いになったハムファンが『岩本はいつも口だけだから』そう嘆息していた。古くから見てきているファン、彼の「真の姿」を知っているファンこそ、彼をエースと認めたことはないのではなかろうか。
しかし、誤解をしないでほしいのは筆者は岩本が嫌いなわけではない。ときに過剰に評価されすぎている、それが引っかかっているだけなのだ。岩本のエンターテイメント性が発揮されたのは、むしろ現役引退後‥。彼の「話術」は超一流、球界の宝とさえ、自分は大マジメに思っているのだから。
実際、岩本の解説には勉強させられることが多い。あの男‥あぁ見えて、かなりの勉強家なのではないか?昔ほど、顕著に「ハムびいき」もしなくなったし、“相手チーム”の選手でも、大いに称賛をする。
ときに感情的になったりもするが、それは球界全体に対しての提言であったりで、個人に向けられたものは、案外少ないのだ‥。耳障りな解説者が担当した試合や、ゲームスコアによっては音量を消して観戦することもあるのだが、岩本勉のときに(あと片平晋作)、ソレをしてしまうのはもったいない。一言一句、聴き逃してはなるまいと、毎度、メモを片手に耳を傾けている。
岩本は、スタンドにもよく目を光らせている。お姉ちゃんがどうだとか、そうした発言も放送中たいへんに多いのだが、ここでひとつ、謎に思うことが‥
なぜ、独身を貫き通しているのか
あれほど弁がたって、金も、そこそこ持っているであろう彼が、女性にモテないわけがない。浪速のお姉ちゃん達が、まず放っておかないだろう。おもえば、現役時代から浮いた噂ひとつ訊いたことさえなかった。
よほど、うまくやっているか、あれらの発言の数々は実は“カムフラージュ”で、あまりオンナに興味がないとか‥‥は、さすがに深読みしすぎだろう。兎にも角にも、謎ではある。
10日は岩本勉プロデュースのお立ち台。ヒーローの有原航平に絡みづらいか尋ねたり、放送席に戻っても、自分のインタビューがうまくいっていたかどうか、アナに確認したりもしていた。見た目によらず、けっこう繊細な神経の持ち主。
‥だから、結婚にも慎重になるのか。