変身後の“スーツスタイル”の方が好き‥‥。僕自身が子供だったのもあるし「ヒーロー」役の俳優に特別目を奪われることも、あの当時はなかった。
むしろ「敵役」の中に、強烈なインパクトを残す者がいたりして、後年もそちらの方をよく記憶していた。その代表格がダイナマンに登場していたメギド王子である。
カブトムシの角ような兜をかぶり、なんか、全身グリーンだったイメージ‥。“いかにも悪”なメイクを施した様が、ちょっぴり往時の沢田ジュリーを彷彿とさせ、妙な色気があった。
したがってダイナマンといえば、沖田さとしや萩原佐代子よりも、彼の映像の方が色濃い。よくよく調べてみるとメギド王子の人気は高かったらしく、“同志”が全国に大勢いらしたことを、後年ネットで知った。
演者・林健樹(けんじゅ)氏。現在は俳優業からは退き、後進の指導などにあたっているそうだ。一方、「ダイナピンク」に扮した萩原氏は、今も精力的に活動されている。あのときと何ら変わらぬ美貌を、ご自身のブログで拝むこともできる。
また、この時代はいささか不可解な降板劇も多かったようだ。【太陽戦隊サンバルカン】では、なんと“主役”が途中降板。現代(いま)でいうならキュウレンジャー、シシレッドの中身・岐洲匠さんが途中から他のアクターに変わるようなものである。
【超電子バイオマン】では、イエローフォー役の矢島由紀さんが放映期間中に謎の失踪。真相は不明‥。バイオマンは幼少期にリアルタイムで視ていたはずだが、僕の知らぬところで、こんな“事件”が起こっていたとは。
さて、サンデー毎日‥。【純烈】の方々。
世代的には僕と一緒か、上もいる。それこそ、上記「戦隊シリーズ」を見てきた人たちだと思う。自らも出演して、少しの停滞期間を経たあと、“銭湯アイドル”として、華麗に復活を果たした。目標は紅白出場だという。
いいねぇ‥‥彼ら。実に夢がある。
触れるアイドル‥もとい、ファンとの距離も非常に近く、多くの中年女性にモミクチャにされ、ときには一緒に湯船にもつかりながら(もちろん男性ファン)、地道にその時を待つ。
そして何より、四十路近くの男たちが、アイドル然としてキラキラと振舞い続ける姿に、なぜかなんだか、無関係の僕もその気になってきてしまう(笑)。元気を頂けた。子供たちを魅了した元戦隊ヒーローたちは、今もまだ道の途中ーー
「ターゲット」も心もバッチリつかんでいる?