センテンス・オータム

ディープ・マニアック・鋭く「DMS」 様々なアレについて... (シーズン中は野球ネタ多し)

日記的なもの 映画【ザ・ロード】

時おりこんな妄想をする.....

 

 

破滅的な戦争がおこり、たったひとり、この世で一番愛する人を失った者たちは、誰かを恨まずに生きていられるのだろうか。また「報復」といった精神などを生まずに、それを受け入れて、生きていくことなど、可能なのであろうか‥‥

 

日本に住む僕たちには凡そ解かり得ないことだが、まがまがしい物体が突如として飛んでくるかもしれない昨今は、あながち“他人事”とも言えなくなってきた。貴方はそれでも人を愛し続けられるのか‥それでも尚、ヒトらしい「良心」を持ち続けていられると、貴方は断言できるだろうか。

 

 

荒廃してしまった地球で、人類は滅亡寸前。わずかな食糧を求めて、人々は殺し合う。ときには「共食い」も辞さない、過酷な世界が描かれた映画ザ・ロード。“善い人”のいない世界に残されていた、小さな灯ーー

 

 

ザ・ロード スペシャル・プライス [Blu-ray]

 

 

人類が滅亡する前の地球が舞台となっているのは、かつて筆者も愛でていた【漂流教室(2002年 ドラマ)と重なる。廃墟同然の建物が多く出てくるのも、いかにも僕好みであるが、あのドラマほど“綺麗”ではない。主人公の身なりは大層汚らしく、土の汚れで肌も、肌の色をしていない。たしかに、これがリアルなのだろう。

 

しかし、世界が砂漠と化してしまった【漂流教室】とはちがい、海があり、河も流れていて、けっこうな食糧を蓄えている場所も、案外あったりする。映画の方は、まだそこまで“絶望的”といった塩梅でもない。

 

物語の主役は父と子で、ふたりの目線によって描かれる。父親役はヴィゴ・モーテンセンという俳優で、前述のとおり、作中はえらく汚らしい恰好をしているので可哀想だったが、時おり挿入される回想シーンで、その“素顔”を窺い知ることはできる。なお、彼は私生活でも男の子との父子家庭‥の時期もあったそうで、役に入り込むことができただろう。

子役は、コディ・スミット=マクフィー。‥筆者はよく存じていないが、この当時は女の子のような風貌をしている。彼が物語の鍵を握っている存在といってもよく、殺戮が繰り広げられる世界のなかで唯一「良心」を持っている者として、映画では描かれていた。

飢え死寸前の老人を助け、盗人を射殺しようとした父親を咎めたりと、あの世界では異質ともいえる“善い人”でいられたのは、やはり、子供故の純粋さから来ているのか。彼の存在こそが、本作における、残された「希望の灯」だった。

 

 

親子は南の方角に向かって、ただひたすら歩いていく。そこに何があるのか、本人たちにも判らない。けれど、何かを信じている。先が見えないヒトも、がんばって生きてさえいれば、なにかイイことが待っているかもしれない。それを、あの親子たちが教えてくれる、ようだ。

 

事実、最後に「希望」はあった。

 

 

ブログランキング・にほんブログ村へ

 

 

risingham.hatenadiary.com