センテンス・オータム

ディープ・マニアック・鋭く「DMS」 様々なアレについて... (シーズン中は野球ネタ多し)

【未来を変えた男の断罪!「アメリカ産」のび太?】エースの映画日誌ミニ 《2019年3月31日版》

全国にいるドラえもんファンを敵に回したとしても、私は言いたい。

野比のび太の「生き方」が嫌いだと――

 

 

彼の内面にある優しさだとか知っているし、彼なしでは漫画自体が成り立たなくなってしまうのだって理解している。にも拘らず、どうしても腑に落ちなかった点がひとつ‥‥。

それは、将来幸せな家庭を持つことが約束されている箇所だ。詳しく訊けば、ドラえもんの力を借りて、彼は結婚相手を変えているそうではないか。

一個人の安易な欲望から、未来を変えてしまったのである。結婚ともなれば自分一人の問題ではない。ジャイ子との間に持つはずだった子供は、もはや存在すらしなくなり、なにより、勝手に相手を決められた静香ちゃんがあんまりだ。関わる人の意志や意向なんてお構いなし。のび太がはたらいた行為は極めて大罪だ。

 

 

あの映画の主人公もナヨナヨ系で、一見頼りないが、よくみると端正で知的な顔をしている。憎めないキャラ性と、からきし異性にモテなかったところは、さながら欧米版の野比のび太といったところか。両者がまったく同じ発想をしたのも頷ける‥?

 

 

アバウト・タイム ?愛おしい時間について? (字幕版)

 

 

【アバウト・タイム~愛しい時間について~】。2014年公開の英米映画。ドーナル・グリーソン主演。

 

自分に自信がなく恋人のいないティム(ドーナル・グリーソン)は21歳の誕生日に、父親(ビル・ナイ)から一家の男たちにはタイムトラベル能力があることを告げられる。恋人を得るため張り切ってタイムトラベルを繰り返すティムは、やがて魅力的な女性メアリー(レイチェル・マクアダムス)と恋をする。しかしタイムトラベルによって生じたアクシデントにより、そもそもメアリーと出会っていなかったということになってしまい…… シネマトゥデイより

 

タイムトラベルものといえばバタフライ・エフェクトに感銘を受けたという話は以前にもした。時間を行き来し、人生をよりよいものとするために奔走したのは本作品も一緒。しかし、主人公のティムが“のび太的思想”の持ち主であったために、あくまで自分本位であり【バタフライエフェクト】の周辺人物を巻き込んだ壮大な物語と比べると、よけい陳腐に映ってしまう。

 

すでに恋人のいた女性の気を引こうと、巻き戻って「出会い」のシーンから操作をし、交際に至ったティムの手口が、まず卑怯。のび太的(笑)。‥もっとも、あらすじをご覧のとおり“男系一家”だけが持つ「能力」だというのだから、他者の力を借りなかっただけ、こちらの“のび太”の方がまだマシなのかもしれないが。

 

 

risingham.hatenadiary.com

 

 

現実には当然、時間を巻き戻したり、過去に行ったりすることなどはできない。私たちの世界に、ドラえもんはいないのだ。本作品が真に視聴者方に訴えたいのがそういったことでないのは、もちろん筆者とて承知している。

しかし、授かったその「能力」のおかげで、ティムは愛する人と結ばれ幸せな家庭を手に入れたのは紛れもない事実なのであり‥‥。「能力」がなかったら、彼はおそらくいつまでたっても異性にモテないままの“のび太”だったろう。

‥けっきょく、彼が人生をやり直すことによって得た“気づき”を、私たちが実社会でいかに活かしていくか、だ。メッセージ性のある、終盤に向けての展開が【アバウト・タイム】の評価を高めていた要因だったようにも感じる。

 

 

ある任務を果たすために、同じ時間を何度もやり直す映画ミッション:8ミニッツ(※1)。こちらは少し前に観たのだけど、考えさせられた。漫画【ドラゴンボール】に登場する、トランクス。地球の未来を救うため、タイムマシンで過去にやってきたという設定だったが、当映画の主人公も、トランクスに勝るとも劣らない「使命」を持っている‥‥。

 

ただ好きな異性と付き合うため、結婚するために時間を行き来(タイムトラベル)する、私利私欲にまみれた彼らが、なんだか滑稽に思えてしまった。

 

《参考》

(※1)ミッション:8ミニッツ (字幕版)

  

にほんブログ村 ニュースブログ 話題のニュースへ