最初に断っておくが、これは不愉快な本だ。だから気分よく一日を終わりたいひとは読むのをやめたほうがいいーー
これは橘玲著【言ってはいけない 残酷な真実】の冒頭に記されていた文章である。とても私好みの書籍であったのだが、本についての感想などは、また今度にしよう。今、語っておかなければならないことが、他にあるから。それなら、なぜ、引用までして取り上げたかというと、この文言が今の私にとって、実に都合がよかったのである。「不愉快な本」のところを「不愉快なブログ」に置き換えて....
13日、ファイナルステージ第2戦。北海道日本ハムは痛い星を落とした。土壇場での逆転負けである。2本のタイムリーを放っていた中田翔は、ヒーローになり損ねたのであるが、1、2を通じ、私は“中田が中田たる所以”だなぁと、あらためて‥そうシミジミと感じたものだ。
初戦のツーラン。あれが「いらなかった」とまでは云わない。ただ、すでに4点を先取し、先発した大谷翔平の出来を考えたら、もう十分だった。それよりも、4番にはもっと勝負を決定づける一打を放ってほしい‥。ファンなら実際、これが正直なところではないだろうか。他の選手に乗せられて放った一発と、自らの手で勝利を手繰り寄せた一発。どちらの方が価値が高いかは、云うまでもないだろう。
‥シチュエーションごとの打点は、数字ではなかなか表れにくいから、中田の成績を眺めて、一見惑わされる者がいる。「彼は勝負強い」のだと。打点は、たしかに多い。殊勲打も、今期はチーム1だ。しかし、それは彼が、ただ4番という打順に“年中”収まっていた(置いてくれていた)からではないか?云ってみれば1番から3番までの、出塁率の高さのおかげなのである。いかに中田が周囲に乗せられて打っていたか、昨年、筆者は検証していた。
2戦目も、併殺と紙一重のようなタイムリーもあったが、打点はあげた。追撃と勝ち越し、珍しく4番らしい仕事をしてくれ、1点リードの7回、相手を突き放す絶好のタイミングであった二死満塁の好機では、やはり、凡退した。あの場面で中田に一本出ていれば、北海道日本ハムは勝利していたにちがいない。
残されたシーズン、中田に期待を寄せるのは「ポストシーズンに強い」という、まさにソレ。ある意味、オイシイだろう。全国の野球ファンから注目が集まり、そこで打てば『やっぱりNAKATA』となる。昨年のプレミア12で名を上げたのも記憶に新しい。
‥まぁ、ファンからすればもう何でもいい。チームを勝利に導く、勝利に直結する一打を放て、だ。まだ彼の真の実力を認めていない筆者に対し、『4番さま、恐れ入りました』 そう謝らせるくらいの活躍を、みせてみろ。