そうか‥そうだったのか‥‥
今年、たびたび耳にする薬物絡みとかであったなら、おもいっきり罵倒しようかと思っていた。しかし、事情はまったく違った。‥速水けんたろう、あなたの不運はファイターズファンにとっても不幸だった。
ラッキーイニングに上杉周大の「ファイターズ讃歌」がかけられるようになって、はや三年。もうそろそろいいだろう…旧バージョンに戻してくれと、前任である速水氏の近況を知ろうとネットで追っていた。
なにか“不祥事”があったようなことは人づてに訊いていたが、人身事故であったとは。「真実」を知って、私は愕然とした。事故からしばらく一切の芸能活動を自粛。それに付随し、日ハム球団も“速水バーション”の讃歌を流せなくなった‥というのが、かなりザックリだけど、コトの真相らしい。
ドームでのアルバイトを含め、いちばん球場に足を運んでいたときに聴いていたのが“速水バーション”であったため、暦浅い筆者にとっては、むしろ“ささきいさおバーション”よりも馴染みがあった。速水けんたろうの歌声は、なぜか妙に心地よかった。今回、その理由も判った気がする。
氏自身がファイターズファンであったからだ。
だから、ファンだから‥あんな情感を込めて唄いあげることができた。そういった想いが「同志」である私にも、届いていたのだろう。誰かに頼まれて唄ったのではなく、自らがそうしたくて、唄った。歌手として「ファイターズ讃歌」を唄ってみたかった‥‥。詳しい経緯は分からないが、きっとそうではなかったか。
あの当時の讃歌を、もう球場で聴けないのは、北海道の新しい“上杉バーション”しか知らないファンは、たいへんに不幸だと思う。本来は、勇ましくも爽やかで、それこそファイターズというチーム名にピッタリな曲であるのに‥。
唯一の救いは、TRIPLANE。昨年までよくドームでかかっていたファイターズと共には最高の曲だ。北海道日本ハムの「今までとこれから」を、唄ってくれている歌詞。輝ける未来へ‥栄光の時代へ‥‥なんて素敵な響きだろう。
何も知らないヒトがこの楽曲を耳にしたら、ミスチルの桜井と聴き間違えそうなほどクリソツな美声で、ヴォーカルの江畑が高音を効かせている。‥彼らは「トライプレイン」というバンド名で、損をしているのではないか。横文字で、中高年ファンには少し判りづらいかもしれない(苦笑)