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【マニアック!「緊急トレード」各寸評付き】 エースのやきう日誌 《2019年6月27日版》

うちは、読売ファイターズ.......

 

 

活発に行われる選手交換に、巨人の阿部慎之助が一時期そう揶揄していた。確かにファイターズとトレードがまとまるケースが近年、やたらに多い。ターニングポイントとなったのは、やはりファイターズの「北海道移転」だろうか。東京文京区に“同居”させてもらっていた頃は、ほとんど交流がなかった‥‥というか、あまり相手にしてもらえなかった。

 

トレードの内訳を細かく見ていくと、選手間の交換以外にも、高橋信二捕手を金銭で譲渡したり(2011年)、逆に読売からは、市川友也捕手を同じく金銭で譲り受けたりしている(2013年)。持ちつ持たれつな、非常に良好な関係を築いている両球団なのだけれど、一度だけ「破局」の危機が訪れていた。それは巨人志望の東海大菅野智之クンを“強行指名”した、2011年のドラフト時。

‥あのときの原監督の落胆ぶりといい、ルールに乗っ取った指名とはいえ、読売関係者を敵に回してしまった感は、ハムサイドにも、当然あった。ところがこの一件以降、両球団の交流は益々活発になっていくのだから、外野からは計り知れない摩訶不思議な関係である。

 

 

26日、読売と交わされた交換トレードは、交流戦終了後で“小休止中”のプロ野球にあって、球界の話題を独占していた。両球団でOBも多い【ジャイアンツ×ファイターズ】その関係性が大いにクローズアップされるなかで「シーズン途中のトレード」というのもまた、ハムの“専売特許”である。開幕直後なら、わりとどこでも見られるが、トレード期限間近にもなって毎年頻繁に行っているのは、12球団でもハムくらいだ。

半ば「緊急」な形となったそれらのトレードは、はたしてファイターズにとって、本当に実りあるものとなったのか‥‥近年の事例を挙げて、これを検証していきたい。

※金銭のみのトレードは除く。アルファベットは高A~低E評価

 

 

矢野謙次メッセージBOOK -自分を超える-

 

 

《2012年4月》今成亮太若竹竜士阪神

 

【E】

阪神サイドの要望に、ファイターズ側が応える態だったと記憶。もともと打撃に非凡なところがあった今成はその後、捕手以外の守備にも挑戦。昨シーズンまで現役を続けている。一方の若竹は新天地で結果を残せず、翌年のオフに戦力外通告を受けた。

 

《2014年3月》今浪隆博増渕竜義(ヤクルト)

 

【E】

実績のあった増渕も、ファイターズ移籍後は一軍戦登板なしに終わる。2015年のヤクルトとソフトバンク日本シリーズ、今浪の活躍がまぶしかった......

 

《2015年6月》矢貫俊之+北篤矢野謙次+須永英輝(巨人)

 

【B】

ファイターズからすれば、実に「即効性」があったトレード。矢野は移籍直後の試合で即スタメン、そこで猛打をふるい、さっそくお立ち台にも上がった。このときのインパクトが凄すぎて、以後は目立った活躍も出来なかったけれど『ファイターズ最高!』の大絶叫は、ファンの胸を打った。

話題の吉川光夫ではないが、須永も「G経由」の出戻り。巨人入りを熱望していた、プロ入り前の須永。とりあえず、夢は叶えられた。しかし、まさか未勝利のまま現役から退いてしまうとは‥‥。剛球を持つ矢貫は、もう少し活躍してくれると思ったが、セ・リーグの水に合わなかったのか。

 

《2016年4月》乾真大大累進(巨人)

 

【D】

当時、大累を評して『犬より速い男』そんな見出しが載っていたのを思い出す。その脚で、ヒーローインタビューを受けた試合も。ファイターズに来てスタメン出場のチャンスを得るも、けっきょくプロではヒットを打てなかった。

 

《2017年7月》エドウィンエスコバー⇔黒羽根利規(DeNA)

 

【D】

「ウルトラC」が炸裂。来日一年目の外国人選手をトレードに出すのは、球界初ではなかったか。エスコバーも今ではすっかり「ハマの住人」だ。左腕で160キロを計測したというインパクトではさすがに太刀打ちできない。

捕手を獲得したのには驚いたが、あの当時はオフに大野奨太の流出が噂されていた(現実に移籍)。それに備えるための補強と、一部の報道にあった。しかし、黒羽根という選手はファームでこのまま眠らせておくのが、たいへんに“もったない”男‥。野球選手らしからぬユーモラスな一面を持ち合わせている。新加入の宇佐見は「強敵」だが、また札幌ドームのお立ち台で、吉本興業のような掛け合いを見たいものだ。

 

《2017年7月》屋宜照悟⇔杉浦稔大(ヤクルト)

 

【A】

ファイターズ色が存分に出たトレードだ。その年(故障により)投げられないと解っていながら、“あえて”シーズンの途中に獲得する‥‥。ビジネス用語でいう「先行投資」もいいところだ。GMの性格が出ている。

杉浦もそれに応えるように、徐々に頭角を現し始めている。逆に「即戦力」として見込まれていったはずの屋宜が現在鳴かず飛ばず状態で、若干申し訳ない気も。鍵谷の代わり‥ではないが、彼と同じくらい道産子・杉浦も愛してあげてほしい。

 

《2018年7月》岡大海藤岡貴裕(ロッテ)

 

【E】

岡を放出してまで獲得した選手が、結果、もう他球団へ渡っているのだから、やはり「成功案件」とは言い難い。能力も、キャラ的にも、岡ヒロミは惜しい人材だった。だが今振り返ってみると、思い当たる節はある。ロッテ移籍後も、たまに見受けられる“ポカ”‥‥。

一方の藤岡は、本人もコメントを寄せていたけれども、ファイターズではまったくいいところを見せられなかった。移籍先の巨人でも中継ぎ投手として活躍を期待されているようだが、本来は先発タイプのような気が、しないでもない。

 

 

ここ10年間に行われた、シーズン途中のトレードを駆け足で回顧してみたが、ローテーションの一角として機能しだしている杉浦を除き、一時でも主力となった選手はいない‥。「緊急トレード」の難しさを、今、あらためて思い知らされた。

 

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