2000年から近鉄バファローズに2年間在籍していた投手、ナルシソ・エルビラが射殺されていたという、衝撃的なニュースが飛び込んできた.......
20世紀最後の「ノーヒットノーラン投手」くらいの、にわか程度の知識しか持ち合わせていなかったため、本当は記事にするのは控えようと思った。が、ちょうど同時期にパ・リーグ、西武ライオンズに在籍していたトニー・フェルナンデス氏危篤の報を受けて、“あの日”を振り返らずにいられなかった。
日本時間2日夜現在、腎臓病で危篤状態にあるというフェルナンデス‥。MLB通算2240本安打の実績を引っさげて来日した、いわゆる超大物だった。37歳という野球選手としては高齢でありながら、前評判どおりの巧打を披露。2000年はリーグ4位の打率.327をマークした。
気になって調べてみたら、エルビラが「ノーノ―」を達成した同年6月20日の西武戦。彼はようやくシーズン2勝目で、この2週間前に西武と対戦した7日は、先発して2回でKOされている。参考までに同日のフェルナンデスは、3安打2打点の活躍だった。
では「ノーノー」の日がどうだったのかというと、フェルナンデスは欠場‥‥試合に出ていない。なるほど、多くの野球ファンが狐につままれたようになった、あのエルビラの“快挙”の裏には、こうした背景もあったのか。
「ノーノー」や「完全試合」は、運にも左右される。1995年に西崎幸広(日本ハム)が達成した際も、苦手にしていた4番の清原和博が不出場。エルビラにとってのそれが、フェルナンデス‥。彼の生還を祈りたい。
ブルージェイズ時代
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