発端は森友哉が左腕・坂本光士郎から受けた死球だったが、あらためて調べてみたら坂本のほうが1歳年長‥。SNS上では「帽子を取らない」投手を非礼だとの声も挙がっていたけれど、彼の口調をみるかぎり謝っているようにも窺えたし、あながち対応は間違っていなかったように思えるが。
というのも、野球界とて年功序列の世界。本来であれば、年上の投手に向かっていった『森のほうこそ非礼』だという声が挙がっていてもおかしくない。大半の選手は味方はもちろん、敵選手の年齢も予め知っているだろうし(郷里や母校の先輩の可能性があるため)、だからこそ坂本も年下の森に対して「律儀に」帽子を取ったりする行為をしなかったのだろう。というか、そもそもが「帽子を取らなければいけない」なんてルールはないし。
コレとよく似ていたのが、オリックス時代のイチローに当てた、近鉄の西川慎一。当てられて吼えたイチローに『お前なんや?』そう言わんばかりに、7つ上の投手はマウンドから降りていった(運がよければYouTubeなどで視られるかも)。
「オリックス」「西川」と聴いて思い出されるのが、西川雅人。ナカジこと西武時代の中島宏之と派手に立ち回ったこともあったが、ふたり実は同い年。あとから(中島が)その事実を知ってすっかり打ち解けてしまった‥なんて笑い話もあるほど、球界にとって年齢は重要視される。
お構いなしの外国人選手は別として、年齢関係なく例外的に「投手を見て」というのは、実際にあるだろう。大谷翔平や佐々木朗希にぶつけられて怒る打者は見かけたことがない(森も佐々木にはキレなかった)。人気者への恐れ多さ、あるいは大勢のプロ野球ファンを敵に回してしまう危険性を回避するためか。
日ハム関連では、シュートピッチャーで度々バッターに当てていた?中継ぎ投手の芝草宇宙。伊東勤には謝っていたのに、いきり立つ自身より年下の小久保裕紀に対しては逆ギレ同然で向かっていった憶えもw。ホークス繋がりだと、若き日の柳田悠岐が谷元圭介に当てられて激昂したシーン。直後に頭を下げていたが、そんなギータの態度を見てか、4つ上の谷元もブチギレていた。‥残念ながら、こちらはあまり映像では捉えられていなかったのだけれど(笑)
(C)amazon 帝京高時代には甲子園を沸かせた
系統とすれば、往年の芝草と少し似ている‥。スリークォーター気味の腕の振りから、ここのところ「火消し役」として重宝されている、生田目翼。
先週はCS出場を争う東北楽天、最下位・埼玉西武相手にチームは6連勝を飾った。期間中、打ではホームランを連発した清宮、投は3セーブを記録した柳川大晟に注目が集まっていたが、生田目も負けていない。
今季初勝利にプロ初セーブ、ホールドも記録して大車輪の活躍。その内容も濃く、7日の楽天戦では1死満塁の大ピンチに登板し、2奪三振‥。11、12日の西武戦ではともに前を投げた投手が連続四球を与え、暗雲が立ち込めていたなか、見事に後続を断った。この連勝は『生田目ぬきでは成しえなかった』といっても過言ではない。
連戦がつづく夏場の一番キツい時期。ファイターズ中継ぎ陣に心強いピースがもう一枚加わった。