最近チラホラ「プロ志望届提出」の文字を見かけるようになったかと思ったら、今年のドラフト会議は例年より二週間ほど早い、10月11日(月)開催。なんと、あと一カ月を切っていた!
‥まったく「予習」をできておらず、これから専門誌などを読んで勉強していきたい。
今ドラフトは誰が、いわゆる目玉なのだろうか。あまり、そういった話を訊かない。もしかしたら不作? ‥筆者がわずかに存知ていたのは筑波大の左腕、佐藤隼輔投手。昨年の時点で上位候補に挙がっていたからだが、少し調子を落としてしまったらしい。どこも欲しがる左投手だけに上位指名は揺るがなさそうだけれども、何球団も指名が重複する可能性は低いかもしれない。
『その年、ナンバーワンの選手を獲りに行く』のが、北海道日本ハムの指名コンセプト。斎藤佑樹や吉田輝星をドライチで指名しているあたり、何をもって「ナンバーワン」としているのかの詳細は不明ながら、彼らに通ずる話題性やネームバリューの観点では、目玉不在の今年は読みづらい。
どっこい有望な高校生が複数名いるらしい
(C)amazon
人気選手を珍しく避け、「独自路線」でいった2020年ドラフトは伊藤大海を一本釣りし、これが大正解。とはいえ、一時期ハムも指名を検討していたとされる早大・早川隆久(現東北楽天)、近大・佐藤輝明(現阪神)も一年目から成績を残しているのだから、いかにも高水準。今年ほどではないにせよ「大物不在」と謳われていたドラフトだけに、いっそう価値が高い。
それにしても、10月上旬であればCSも開催前‥。外国人選手の動向も含めて、ウイークポイントを明確にするには、まだ困難な時期である。その点、ハムは解りやすい。16日現在、最下位をひた走る北海道日本ハムは 全部がウイークポイント(笑)
‥そんななかでも強いて挙げるなら「左投手」「捕手」「二遊間」(特に遊撃手)だろうか。これらを踏まえると、実際補えたかどうかは別として、昨年のドラフト会議は、わりと有意義だったように思う。検証も兼ねて、その根拠をここに述べてみよう(以下、成績は全て15日時点)。
1位【伊藤大海】苫小牧駒大
15日の埼玉西武戦では勝ち投手の権利を得ながら、後続が打たれて二桁勝利を逃す。だが、さすがにここまでの活躍を予想できた者は少ないのではないか。リーグ3位の防御率、投球回(107回1/3)とほぼ同じ奪三振数が光る。
キャンプの時点では彼をどこに配置するのかずいぶん迷ったらしいが、結果的に先発に回したのは慧眼だった。
2位【五十幡亮汰】中央大
◇一軍19試合 打率.286 本塁打1 打点4 盗塁8
入団前の触れ込みから、19試合で8盗塁(盗塁死1)の数字はある程度予想できたとはいえ、意外やバットでもプロの世界に順応。5月23日の埼玉西武戦では宮川から、プロ本塁打も記録した。
レギュラーに定着しかけたころの故障離脱は悔やまれる。が、五十幡の台頭が同じ外野を争う、淺間大基の目の色を変えさせた。五十幡がチームにもたらしてくれたものは大きい。
3位【古川裕大】上武大
◇二軍52試合 打率.223 本塁打2 打点19 盗塁1
「強打」の触れ込みも、ここまでは一軍試合出場なし。打撃面でも思ったような結果は残せていない。一軍の捕手事情を考えれば、いくらでもチャンスはあっただけにもったいない。今季はファームで牙を研ぐことになりそうだ。
4位【細川稜平】智辯和歌山高
◇二軍19試合 打率.264 本塁打1 打点8 盗塁3
14日の千葉ロッテ戦では一番遊撃手として先発出場。この試合で「プロ初本塁打」を記録した。出場試合数が少ないのもあり、守備面での評価はまだ難しいが、思っていたよりもバットの振りは鋭い。待望久しい「打てる」ショートストップの誕生なるか。
5位【根本悠楓】苫小牧中央高
どっしりとした体躯から放たれるストレートは、いかにも重そうだ。同じ左腕の北浦竜次が些か伸び悩み傾向にあるなか、彼に寄せられる期待も大きい。タイプとすれば、比較的オーソドックスな投法で「先発型」か。目指すは2年後、新球場でのローテ入りだ。
◇一軍9試合 打率.053 本塁打1 打点2 盗塁0
◇二軍61試合 打率.310 本塁打14 打点46 盗塁1
今川のラッシュがすごかった。8月12日から一軍昇格する直前、今月8日までの約一カ月間に6本塁打‥。まさに最高の状態で上がってきた。だが、和田毅から放ったプロ初本塁打以降は鳴りを潜めている。ストロングフィニッシュをして、来季への足掛かりとしたい。